文章派に勝ち目はあるか?!
★★★☆☆
ビジネスには図解と文章のうち,どちらが重要か? この本は図解派と文章派の 2 人が分担して執筆した本である. 結論は両方うまくくみあわせるのがよいという常識的なところにおちついているが,それぞれの主張を比較するのはおもしろい.
私自身はどちらかというと文章派であり,図解でかんがえることはほとんどない. しかし,会社では図解派のほうが圧倒的なので,妥協せざるをえない. 文章派の主張がまったくうけいれられない (文章を書いてもよまれない) 環境でくらしている身には,文章派がどういうところで勢力をのばせるのかが気にかかるが,そういう疑問には本書はこたえてくれない.
実は図解も文章も作成するときの論理は同じ方向を向いていた
★★★★☆
「図解教の教祖と小論文の神様」図解と文章はどちらがビジネスに強く役立つのか?という一風変わった本である
3章では同じ材料の例題でそれぞれ図解化・文章化しているがどちらにも良い面があるので勝敗はつきにくい
どちらにも良い面があるのならば図解も文章も足りない面を互いが補足しあっていく関係でいくべきだろうし両方をマスターするべきだと言えるでしょう
有能なビジネスパーソンには文図両道がよい
★★★★★
『図解VS文章』(プレジデント社)は有能なパーソンになるためのお勧め本である。
この本は小論文の神様といわれている樋口裕一氏と図解教教祖と自他ともに認める久恒啓一氏がそれぞれ文章と図解の特質と用法を単刀直入にのべていてとてもわかりやすい。樋口氏のとりあげる文章は約1000字前後の小論文で論理的な文章をいみする。片や久恒氏の図解もビジネスなど実戦用に用いるA4一枚に描くものを前提にしている。
さて、あることを表現する場合にはいったいどちらを手段として用いたらいいのか。
人間が割と集中してさっと読める字数の文章は1000字くらいである。実戦では最大限このくらいの字数が適切である。この長さの中で、読んだ結果、何を言おうとしているのかわからない文章は困る。ピチッとメリハリよく意味を明確に伝えなくてはならない。そうなると樋口氏のいうように二項対立させて、思考を煮詰めて、最後に自信をこめて、「言い放つ」くらいの文章がいい。それには背後に煮詰めた思考がパワーとなっていなければならない。
しかしである。1000字程度の長さでは、どうしても複雑なものまで書ききれず、表現の範囲が限られる。想像力に訴えるようなシンボッリックな書き方では困る。かなりピンポイントにしぼって書かねばならない。
一方、図解はこの点A4一枚の図で、かなり周辺的なものまで鳥瞰的に描くことができる。特に構造とか関係とかは視覚に訴えるからパッと瞬時にしてわかる。その分情報量が多い。全体の中で論点がどこにあるかを示す利点がある。ただし、多少の曖昧性がのこる。
受け取り手の思考参入が要求される。
したがって、以上の2つの伝達手段はどちらがよくてどちらが悪いというものではない。
ビジネスパーソンは、当面表現するべき内容をどちらの手段で伝達するべきか、は、この本にあるサンプルを参考にしてそのときそのときで決めたらよかろう。
しかし、少々込み入った内容のものだったら、図解したうえで、300字くらいの文字を要所に配してクリアにまとめるのである。両方のいいところをいただくのがいちばん理想的である。
いつも手元において、図解中心で行くか、文章中心で行くか、迷ったときに読みたい本
★★★★★
NPO法人知的生産の技術研究会の東京セミナーの内容を
本にしたもので、薄い本ながら、内容がかなり濃い。
もともと、久恒啓一氏は図解コミュニケーション、樋口
裕一氏は、文章でのコミュニケーションの第一人者で、
多摩大学の学生のコミュニケーション能力を飛躍的に
高めるために二人同時に多摩大学の教授として招聘され
たという経緯があるほど、お二人ともに、優れた業績
がある。
図解か文章かという対立図を描いてみせながら、
最終的には、「文図両道」という二人三脚が望ましいと、
結論づけられている。
なぜ、この文章になるのか、を詳しく分解してみせたり、
なぜ、この図解になるのか、を、描く手順、矢印の意味、
全体の構図の意味するところなど、
かなり踏み込んで詳しく解説があるので、
仕事上、どちらを優先し、どちらを補完的に使うかなど
迷ったときに、とても頼りになる仕事の友となる本とし
てオススメである!
図解と文章の強力タッグ
★★★★★
おもしろい対決であった。
片や「図解教の教祖」である久恒氏、片や「小論文の神様」の樋口氏。
図解と文章の対決である。
非常におもしろかったのは第3章の「対決演習」。
同じ題材を扱っていながら、図解と文章では結論がまるで異なる。
これでいいのだろうか?と不安になるも、
実は、図解と文章と見た目には大きく異なる表現方法でも、
久恒氏と樋口氏の考え方は同じ方向を向いていることが第4章でわかる。
どちらも「論理をデザインする」という点においては
同じゴールに向かっているが、
それぞれ図解でデザインするか、文章で組み立てていくか、
方法が異なっている、ということなのだ。
最近のビジネス現場では「概要を1枚で示せ」と言われることも多く、
図を使うようにと指導されることもあるが、
本書で述べているような本質的な図解や文章は、まだまだ足りていないことを感じた。
図解と文章、どちらも活用しながら
図解では全体を、文章では詳細を示すという方法が
ビジネスコミュニケーションでは良い形であることに
非常に納得感が得られた。
ビジネスコミュニケーションにおいて、
本来何を伝えなければならないのか、どう伝えなければならないのかを
考えさせられる1冊であった。