TMライブ完成型のひとつ
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’87〜’88に行なわれた全国ツアー「KISS JAPAN」を終えてのアリーナ規模のコンサート。正式には「KDD−001 NETWORK LIVE’88 TM NETWORK ARENA TOUR KISS JAPAN DANCING DYNA−MIX」となる。
この映像はTM NETWORKとしてのバンドスタイルの確立された時期の映像である。ボーカル宇都宮 隆を中心にギター木根尚登 サポートギタリストのB’z松本孝弘 同じくサポートペーシスト日詰昭一郎がフォーメーションダンスを展開。その映像は「Be Together」「Kiss You」で確認できる。
前作「FANKS THE LIVE 1 FANKS CRY−MAX」との相違点は大きく2つある。
ひとつはキーボート小室哲哉のシンセブースが楽器のデジタルテクノロジー発達によって、シンプルになった点。「FANKS CRY−MAX」では約30台のキーボード群が用意され、演奏中のボリューム調整や効果音を鳴らすといった作業を小室がやっていたが、このステージではメイン・キーボードとなるYAMAHA DX−7 FD 2台のみとなり、音のすべてをコンピューターが管理できる様になった。また、PC−9800も1台から2台となり、ディスプレイ・イルミネーションも視覚効果バツグン。これらコンピューターが小室をフルサポート。小室の知的イメージがより高くなっている。
これにより小室は集中してスリリングなプレイに集中できる様になり、小室がデビュー当時から描いていた、人間とコンピューターのバランスを大事にするというTMの基本コンセプトの「聴かせたい!」ステージにようやく時代が追いついたかたちとなる。
2つ目はステージの立体感だ。フロントにメンバー3人。バックにサポートメンバー3人が配置となり、バック中央には地球をイメージしたオブジェが君臨し、そのオブジェから青と緑のアルゴンレーザーの眩い光がが会場を放つ。また、「KISS JAPAN TOUR」でも使用された、通称「動くライト」の「スターライト」も健在。単色で20色、組み合わせで1296色もの色を作ることができ、「ライティング・ファンタジー」といった視覚的効果も完璧であり、まさに「幻想的な宇宙空間」となっている。
これら視覚的・聴覚的効果を最大限に再現されているのが「CHILDREN OF THE NEW CENTURY」である。基本的にはインストナンバーになってはいるが、小室を中心にした緊張感漂うステージであり、小室のG(加速感)を感じとれる瞬間でもあると同時に小室の破壊的なパフォーマンスも満喫できる。
メンバー及びサポートメンバーにも「余裕」が感じられるステージであり、一人ひとりがかっこよさを追求しているステージでもある。
本作はTMの人気が確固たるものとなったライブ映像であるが、小室が描く次のTMスタイル・コンセプトが提示されている。それが最後に登場する「T−MUE−NEEDS」というキーワード。
これは「安定拒否」「同じことは2度とやらない」「常にファンを驚かせる」といった小室のそしてTMの基本姿勢・活動コンセプトであり、後に空前絶後の大作「CAROL PROJECT」へとつながる。
「FANKS the LIVE」その2。
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「FANKS the LIVE」の中編にあたる「FANKS the LIVE.2」には、1988年3月15日、国立代々木競技場第一体育館にて行われた「KISS JAPAN DANCING DYNA-MIX」の模様が収録されています。
「KISS YOU」や「HUMAN SYSTEM」など全9曲収録で、収録時間も49分程度となっています。
オープニングとエンディングにはそれぞれフィルム映像が、ダイジェスト映像として「You can Dance」と次の「FANKS th LIVE.3」の予告映像が収録されています。
最初から始まる「Be Together」にて、宇都宮隆さんの「Welcome to the FANKS!」の掛け声で一気に盛り上がりました。
「Children of New Century」ではサビのみで終了、後に演奏された小室哲哉さんのキーボードソロは派手な演出と高い完成度でかっこいいです。木根尚登さんの空中浮遊ももちろん収録されています。
かっこよさと見所、そして派手な演出が満載のこのライブの輝きは、かなり素晴らしい!の一言です。
興奮。
★★★★☆
まさにロックショウ。
行われたライブよりもパワフルでロックな仕上がり。
見どころは「Children Of The New Century」。
異なった日に行われたこの曲の模様を重ねて映し出しています。
両日とも宇都宮氏が違う動きをしているので、
重ね合ったその映像は圧巻です。
ちなみにオープニング、エンディング映像は
実際にライブ会場で放映されたものです。観客の声援も重ねて入っているので臨場感抜群です。
ラストシーンでは彼等が以前エイリアンだったことを
思い起こさせます。
"クールなTM像"の成立を見逃すな!!
★★★★★
"クールなTM NETWORK像"を見たいならコレ!
技術の進歩によりシンセブースがコンパクトになり見栄えは不足気味。
だが「KISS YOU」に見られるLIVE全体の完成度は、確実に進化している。
宇都宮隆のダンスも、"勢い"から"計算された表現"へ。
木根尚登もオドロキの空中パフォーマンスを披露する。
小室哲哉のプレイスタイルもより洗練され、カッコイイ。
この「輝き」を見逃すのは損。