タイプライターの追憶
価格: ¥0
現実と現実ならざるもの
この本の仕組みは「あとがき」に作家自身が書いている内容につきる。
フィクションとしての小説に1人の女性の主人公がいてその女性はフリーランスのエディターであり、彼女が作ろうとしている、受け取ろうとしている新たなフィクションこそ現実のこの『タイプライターの追憶』という小説である、というような構造だ。
現実とは何か。小説とは何か。その関係は?
エディターの彼女が経験する激しい感情の波とその後の凪の中に
その秘密を解く鍵が隠されているのかもしれない。
※作家の敬愛する写真家・佐藤秀明氏撮影の写真を収録
【著者】
片岡義男
1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。75年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。http://kataokayoshio.com/