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現代史を学ぶ (岩波新書 新赤版 (394))

価格: ¥861
カテゴリ: 新書
ブランド: 岩波書店
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勉強の仕方が参考になります ★★★★☆
1995年の本だったので、もう少しソ連東欧の崩壊について
書いてあるかと思いましたが、主に、著者の専門研究を手がかり
にした、歴史学の学び方の本でした。
もっとも、タイトルからそう予想されることでしたが。

勉強の仕方、研究の仕方について、豊富な実例が紹介されていて、
たとえばハーバードでのE.H.カーの研究の態度などが、書かれて
いて、ここは面白いところでした。

また、崩壊後、ロシア革命以来の70年は、学ぶ価値のない一覧
表に入れられてしまったかのような、風潮のなかで、著者はこれ
までの研究を続けることにした、とか、崩壊に関する研究がなさ
れるべき、という著者の考えは、なるほどと感じさせるものでし
た。

それから、1989−91の社会主義の崩壊を、研究者がなぜ予
測できなかったのかについて、存在した社会主義を一つの「社会
構成体」とみなしていたことをあげていたが、これも、なるほど
そうか、と思わせるものでした。

資料の読み方、メモの取り方、論文の書き方が丁寧に書かれてい
ます。
E・H・カーの『歴史とは何か』と併読をオススメ ★★★★★
筆者はソ連史を専門にし、特に農村社会の動きなどに着目している方である。
著書が書かれたのは1995年と、ソビエト崩壊による冷戦構造の崩壊に伴って、それまでのソ連史の語られ方が非難に満ち満ちている時期である。
筆者はE・H・カーに師事しており、基本的にカーの『歴史とは何か』をベースに歴史を学び、書くことはいかなるものかを述べている。
歴史とはあくまでも過去との対話であり、その対話の過程から帰納的に個別的なものから一般的なものへと導く作業である。
そして、「歴史の一般化は、一定範囲の経験的事実の観察(史料を媒介しての)からいかなる一般的命題をいうことを許されるか、ということ以上ではありません」(p194〜5)と筆者は言う。
筆者は、現代史を学ぶ難しさとして、時代が近いことによって精神的に距離を置いて見ることができないことをあげ、だからこそ自分の置かれている立場や時代が要請する解釈、党派性といったものから距離をおいて、「超党派」的に見ていく必要があるのではないかと言う。
だが、現代から時間的に遠い時代を扱う場合も、党派性といったものは強く作用されがちだと思われる。大河ドラマや、故郷の英雄など、例え事実として固定されていたりしている過去でも、現代の要請に応じて書き換えられるからだ。それは、戦前や戦後の現代においても変わらない。
結局のところ、歴史を学ぶということは現代史を学ぶということになる。それは、どの時代を扱うものであっても同じことだろう。
現代史を学ぶ者 ★★★★☆
 1991年の共産圏の崩壊は社会的、政治的に大きな衝撃を与えたのは
間違いないがとりわけロシア現代史を専門とする著者にとってはそれま
での研究を全否定されるような出来事であったに違いない。他の研究者
からの皮肉・冷笑などに対する反論が所々顔を出すのはこの厳格な書物の
中でも微笑ましい部分であるが「歴史について」考え、現代史を学ぶことの
意義を我々に教え導いてくれる、これは貴重な書物ではないだろうか。
 考えてみるにこの国の為政者のように歴史をねじ曲げ己に都合のいい

ところのみ取り上げる、このような態度はこの著者にとって、いやす
べての学究者にとってがまんならないところだろう。またそのような情
けない指導者を戴かざるを得ない我々も大いに反省しなければなら
ないが・・。
 〜「現代史とは、私たちが生きている「今」をその起源にまでさかのぼって、
成り立ちとそれからの変化とを跡づけることで、これからの行動のための
一般的な指針を導き出すことを基本的課題とする分野です。」〜
 理念もなく靖国神社に参ったり、憲法を都合のいところだけ抜き出し
己の意見を正当化しようとする狂った為政者・・。
 このような時代であるからこそ歴史、現代史に対しての真摯な態度が
必要なのではないだろうか。
 
歴史学への格好の入門書 ★★★★☆
著者はロシア現代史の第一人者である。
その長年にわたる研究の経験から、現代史を学ぶことの意義、方法についてE・H・カー『歴史とは何か』に沿って分りやすく解説してある。
著者の専門の関係上具体例がロシアに関する事柄に偏りがちではあるが、現代史に限らず伝統的な歴史学全般の方法論を学ぶためには必読の入門書である。

特にこれから歴史学を学ぼうとする大学1・2年生には是非一読をお薦めする。