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封建主義者かく語りき (双葉文庫)

価格: ¥510
カテゴリ: 文庫
ブランド: 双葉社
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民主主義という名の空前絶後の全体主義 ★★★★★
21世紀の進歩的な人類であるワレワレは、社会の現状にすでにかなりの疑問を
抱いているものだが、この著者はすでに前世紀において、ほとんどだれも疑いを
もっていなかった究極の全体主義、「民主主義」に果敢に挑んだのである。本書
は彼のデビュー作にして、その孤独な挑戦の記録である。

いつの時代も、社会の制度設計は熱い議論の対象になるだろうが、そのなかで
も未だに「封建主義学派」というのは寡聞に聞いたことがない。それだけ封建主
義を唱えることは「ありえない」とされているのだ。だが、そんな封建主義=絶対
悪という思想こそ、民主主義というドグマによってこしらえられた分厚い色眼鏡な
のだと著者は主張する。考えてみれば、ファシズムも、差別の助長も、「すべから
く」の誤用が横行するのも、「主婦」がフシダラなのも、みんなみんな、民主主義
に由来するのだ。

くそまじめなのか諧謔に満ちているのかわかりずらい文章が、民主主義という憎
たらしいがなかなか攻撃できない対象を、チクチクと刺していく様は痛快無比だ。

ただ一つ残念なのは、肝心の著者自身が理想とする封建主義に基づいて構築
された社会の具体像というのが見えてこないということである。いわば、民主主
義の「代替案」は明記されないのだ。他者への批判は多いが自己言及が少ない
というこの点において、著者が本書の中で散々バカにしくさっている左派陣営の
多くの著作と特徴が似てきているというのは、皮肉としかいいようがない。

がしかし、なによりも本書は著者のデビュー作であり、そこまでを求めるのは酷と
いうものだろう(評者は未読であるが、これ以降の著作でそれが開陳されている
かもしれないし)。それよりも、まず民主主義というゆがんだ前提を、議論のテーブ
ルからどかどかどかと払い落とした著者の仕事は、評価してもしすぎることのない
ものであることには他ならない。
26年前の本ですが,まったく色あせることなく心に響きます ★★★★★
著者のデビュー作。単行本は1981年らしいので,26年前の本ですが,まったく色あせることなく心に響きます。って言い過ぎ?

民主主義の腑に落ちない部分,なんだかモヤモヤした部分を,辛口に説明してくれているところが素晴らしく,最近ややもすれば頭を使わなくなってきた自分を,少しホットにしてくれました。
「民主主義」と「封建主義」 ★★★★★
民主主義は最悪の政治形態と言うことが出来る。これまでに試みられてきた、他のあらゆる政治形態を除けば、だが。と言ったのはチャーチルですが、我々はこの言葉をなんとなく受け入れています。民主主義に問題があっても、共産主義や封建主義よりはましだろうと。

しかし、呉氏はこれを否定します。民主主義と共産主義は似たようなもの(自由、平等、同胞愛を適当に行えば「民主主義」、厳格に行えば「共産主義」)であり、どちらも問題あり。封建主義は別物であり、「封建主義」にこそ希望があると。

この本を読んでも民主主義より封建主義の方が良いという確信は持てないかもしれませんが、民主主義の短所や封建主義の長所は理解できると思います。それに加えて、知的好奇心を刺激する本としてもおすすめできます。
封建主義を我々は一体どれくらい知っているのか? ★★★★★
「封建主義」と聞くと「古い」「危ない」などと脊髄反射的に答える人が大勢いるだろうが、では我々はどのくらい封建主義について知っているだろうか?

筆者は、我々が無批判に肯定しがちな「民主主義」というものに徹底的な批判を浴びせて、封建主義を擁護する。
多少論が強引なところもあるのだが、筆者の書き方が大変面白く、そんなことは気にもならない。


ホントどうでもいいのだが、気になってしまったので書く。
リンカーンの「人民の人民による人民のための政治」というやつの「人民の(of the people)」に着目していろいろと述べているのだが、英語講師の薬袋善郎によると(「学校で教えてくれない英文法」参照)この「government of the people」は「govern people」の名詞形で、「人民を統治すること」と訳されるべきらしい。
まあこれは一般的な訳だし、しょうがないだろうけど。


著者、呉智英の原点ともいえる本。
軽い文体で楽に読める、一読の価値はあるといえるだろう。
面白い面白い。 ★★★★★
呉智英の初の単行本(初版は1981年)を文庫化したもの。
「封建主義者」である著者が、民主主義を批判するという内容で、挙げられている例などは今読むと流石に古いが、主張自体は今でも面白いものであり続けている。

何かを批判するためには、それ相当の知識が必要だと思うが、著者の知識量(≒読書量)は半端無い。
巻末の読書ガイド(かなり使える)でもその一端を垣間見ることができよう。

文体はくだけていてわかりやすく、面白い。
この値段でこの内容は素晴らしい。