大衆・知識人・民主主義
★★★★★
軽快な語り口で大衆というものの本質、民主主義というものについて
様々な事例を提供してくれる良書である。戦後、大衆の側につくという
ことがアプリオリに知識人の作法になった状況を考えたい人にはおすすめ。
知識人というものが内心、大衆を軽視しながらそれを口舌にのせないのは
何故なのか。そもそも知識というものはそのような性質をもっており、
避けがたいものなのではないかという点にまで到れば本書はその役割を
十二分に果たしたことになろう。
よくぞ言いたいことを言ってくれた
★★★★☆
二次方程式の話はどこかで読んだが泣ける。
学問のススメの話は,よくぞ言いたいことを言ってくれたなと。
著者30代の力作も,前半の大衆食堂の話をもっと読みたかった。
知識人の「反逆」
★★★★★
呉氏はこの本で「大衆蔑視」を宣言します。それは知識人としての誇りの裏返しなのだと思います。大衆におもねり知識人の役割を放棄する言論人が多い中、呉氏は貴重な存在ではないでしょうか。
この本は短いエッセイが多いですが、呉氏の思想は十分理解できます。また、内容も面白いです。
こんな側面があったのですか?
★★★★★
「サルの正義」等の辛口、かつ、やや暴走気味の評論がこの作者の本質と思っていた。
最初、この本を見たときに、「大衆食堂の人々」のどこを『評論』するのか分からず、手を出しそびれていた。
イヤア、面白かった。
こういう洒脱なエッセイ集を書ける人って、結構、辛口評論家でもあるんだよね。
GWに笑わせてもらいました。
今後こちらの方面の活躍も期待します。
(ブラック)ユーモア度高し
★★★★★
本書「大衆食堂の人々」は呉智英の著作の中で最もユーモア度が高いというか難しいこととか関係なく単純に笑える楽しいエッセイです。呉智英思想の基本書は「封建主義者かく語りき」だと思いますが、呉智英は思想家という顔の他にも面白エッセイの名手という一面も持っていて、そっち方面では本書がその代表格ではないかと思います。単純に面白いエッセイを読みたいという人、エッセイの名手「呉智英」入門本として是非読んでみてください。