KYなんか怖くない!
★★★★★
空気が読めない人を「KY」と呼び蔑視する傾向があるが、本当に空気を読む必要があるのだろうか……医師であり人気作家の鎌田實が、空気に捉われる風潮に異を唱えたアンチの書です。著者が患者や仕事仲間として出会った、世の中の流れに染まらず、信念を貫きながら生きる25人の実例を紹介しています。
子供たちに家族の大切さを知って欲しいと、周りから反対されても「弁当の日」を実施した小学校校長。まだ共産主義だったチェコで「人を殺したくない、人を愛したい」と徴兵を拒否し獄舎に囚われたチェリスト。事故で失明後に奥さんと世界を旅し、写真を撮り続けているカメラマン。医療機関から見放されたガン難民の相談に乗り、医療界に一石を投じる、ガン難民コーディネーター。乳ガンと闘いながら、子供たちに「命の授業」を続けた養護教諭。消えかけた地域の小児科を再生させたお母さんたち……。
著者は、「日本が不況から立ち直れないのは、みんなが空気を読み過ぎるせいでは?」と指摘し、「空気に流されるな、空気を作り出せ」と読者にエールを送ります。この本に登場する人たちは、他人の目を気にして生きていません。みんな空気に負けていない。それどころか、死期が迫っても一日一日を前向きに生きている。それ故に読み手も勇気づけられるのです。
名もなき普通の人々が精一杯に生きている姿が、温かい目で切り取られ、読後には感動と清々しさに包まれました。この国を覆っている空気を温かくする「物語」が今こそ必要と実例で唱えた、心の芯を強くする一冊です。
本の題名が内容をストレートに表現していない。
★★★☆☆
周りの空気に流されず、信念を持って良いことをしている人たちの物語。
医師の顔を持つ著者が、ときに客観的に、ときに主観的に紹介していく。
子供がつくる弁当の日を設けた小学校校長
兵役を拒否し囚人となったチェロリスト
全盲のカメラマンとその妻
真面目でオカシイ、情熱的な通訳..
本の題名が内容をストレートに表現していない。明らかに後からつけた題
名を、著者自身も消化しきれていない。
空気を読めない自分にとって
★★★★★
周りの目を気にしすぎて行動する私にとっては
読みながら何度も目がかすんでしまいましたが、
やっぱり空気を読めないと大きな仕事はできないのかなと思いました。
空気を読めるけど読まない人、それはホンの一握りの人と思いますが
そんな人と交わりがあると『毎日』を活きているという実感がわいてくるのでは
ポジティブな空気を教えてくれる
★★★★★
新書なので硬い話かと思って読み始めたら、なんとか「空気」を中心にはしているものの感動的なエッセイ集でした。
弁当を食べるお父さん、チェロ奏者、全盲の写真家、葬式のライブ、癌の養護教諭、中国人看護学生、温泉ホテルのおかみ、マフィンおじさんなど思わず涙がジンとにじむ登場人物ばかりでした。電車の中で読むのに適当な長さですが、しょっちゅう上を向いて目を閉じていました。花粉のシーズンですから涙はみっともなくないと思うので、今がこの本を読む旬かもしれません。
あたたかさはあたたかさの連鎖を呼ぶという意味での空気、レントゲンや検査値だけをみずに必ず直すぞという医師の持つ空気。そんなポジティブな空気を教えてくれる本でした。
空気とは・・・
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あるラジオ番組で著者本人が紹介しているのを聞いて興味を持ち購入しました。
以前から鎌田實氏の考え方や著作には共感できることが多かったのですが、本作にはハッとさせられることがものすごくたくさん詰まっていて、氏のブレない人間性と豊かな感性に益々共感を覚えました。
とても感動的なエピソードばかりなので、涙腺がゆるめの方は、電車で読むのは危険かも・・・。