登場人物たちの間で交わされる丁々発止の会話がお楽しみ、、、。
実際の政治家たちの発言が引用されているそうで、発言内容はかなりシビアです。
パリ郊外の小さな町、環境派が反対する文化会館(メディアテーク)建設計画の行方は
果していかなる決着を見るのか、、、。
思いもよらない人物が市長を説得、あっけないような幕切れです。

ロメールが描く少女たちの会話はどうしてこんなに瑞々しくきらめきに満ち溢れてあるのでしょう。
生き方も外見も全く異なるレネットとミラベルはまさに都会のウサギと田舎のウサギ。
そんな二人の何気ない出来事をロメールが見事「冒険」として魅せてくれます。

夜鳴く虫は（鳥だったか？）眠りにつき、朝鳴く鳥は目覚める前、
本当の静寂が訪れる青の時間に私も出会ってみたいです。

　ロメールは少女を描くとき、よく真っ赤な服を着せる。劇中のレネットもミラベルも赤いカーディガンやシャツを着ている。
　それがロメール自身から彼女らへの若さの賛美のようでとても好きだった。
　彼女たちが真摯に人生に向かい合うことを「冒険」と呼ぶロメール。この映画を見たときその言葉がとても嬉く、
自分を勇気付けてくれたことが思い出の映画です。