「学校指定図書」的映画
★★★★☆
青年がクラシックバレーのダンサーになるまでの
ストーリーです。
青年の父と兄が炭鉱の閉鎖により
失業することになり、ストライキを行います。
青年は男性的な競技(ボクシング)が下手で、ボクシングの練習をやっている同じ建物で見た
女子のクラシックバレーに魅了され、そしてコーチに促されてバレーの練習を始めます。
この話は実話ではありません。しかし、1984〜85年ごろサッチャリズムに反対する
ストライキが炭鉱にも起こっているので、話にリアリティがあります。
また、父親は大変不器用で、お金は無く、当初ダンサーになることには否定的な人間であるが、
息子の未来のためとなると、一緒に目標に向かっている姿に感動します。
そして青年のタップダンスのシーン(多数)と兄が警官から家々を使って逃げるシーンは素晴らしいです。
この映画は多少ストーリーに疑問点(なぜ?タップ)がありますが、子供と一緒に見ることをオススメします。
2時間をきる映画で子供も飽きずに見ることができるでしょう。
ブリテッシュカルチャー総力戦
★★★★★
イングランド北部の片田舎で炭鉱夫の父と兄、年老いた祖母と暮らすビリー・エリオット。時はサッチャー政権下、エネルギーの主役は石炭から石油へと取って代わり、鉱山が次々と閉鎖に追い込まれる中、炭鉱夫として生計を立てるビリーの家族は貧困にあえでいた。
なけなしの金を削ってビリーにボクシングを習わせようとするタフガイの父、しかし、ビリーが興味を持ったのはバレーだった・・・。
これは、父と子の物語であり、家族の絆を描いた物語でもある。さらにはイギリスの労働者階級を描いた物語でもあり、何よりも自己実現の達成を描いた物語である。
感動的なストーリーがあり、忘れがたい数多くの場面がある。T.REXをはじめ、JAMやクラッシュなどブリットポップにのせて主人公ビリーが素晴らしいダンスを披露する。脇を固める名優陣の演技も申し分がない。最後にはイギリスロイヤルバレーの元プリンシパル、アダム・クーパーまで登場する。
ブリテッシュカルチャーが、その最高峰を総動員し、素晴らしい映画に必要なすべての条件を詰め込んだ映画。
良い映画に出会えて幸せ
★★★★★
素朴に「映画って良いですね〜」といえる傑作だと思います。
私が好きだった、「フラガール」の向こう版というか、「Shall We ダンス?」の子供版という感じ。
ストーリを本当に簡潔に表現すると…
炭鉱夫の父と兄を持つ主人公が、最初はボクシングを習っていたのに、突然横でやっていたバレエに興味を持ち、父親や兄のウルトラ大反対を押し切り隠れて練習して、ついにバレエ学校の入学試験を受けるようになるのだが…。
そこから色々泣かせる場面があり、そしてテストを受けに行き、面接ではいまいち、しかも受験者とけんかして殴ってしまい合格は絶望…と思っていたら何と!!
で最後のシーンはバレエの公演でたぶん主役をもらって父と兄が見守る舞台に飛び出て行く…。
特に泣かせるのは、主人公の少年と父親と兄との関係。そのおばあちゃんもいい味出してます。
父親が信念を曲げてまでスト破りをして子供のための費用を捻出しようとしたシーン、合格してバスで街を出て行くシーンでの兄との会話。いまこうして書いていても、胸が熱くなるほどです。
「子・親・師」のトライアングル
★★★★★
少年ビリーが,バレエに魅せられ,ダンサーへとなる成長の過程が描かれています.周囲の反対に合いながらも自分の意思を曲げないビリー.最初は反対していたけどビリーの意志の強さに理解を示すビリーの父親.ビリーの才能を見出し熱心に指導する先生.貧しい炭鉱町にありながら素晴らしい「子・親・師」というトライアングルが実現しています.特に,父親がビリーのためにスト破りするシーンが感動的でした.
夢に向かって
★★★★☆
ビリーは心優しい少年。ぼけはじめた祖母の面倒を良く見ている。ボクシング教室の横でレッスンするバレエに心を奪われるビリー。ボクシングをしてるふりをしつつレッスンに参加。それが父にばれて猛反対を受ける。
「男がバレエなんて!」兄と父。「私はプリマドンナになりたかったの」とおばあちゃん。ゲイの友達にせまられつつレッスンを続けるうちに父親の心も和らぎついにスクールの試験までこぎつける。
「踊っているとなにもかも忘れる」
タップやロック。踊っている少年はとても楽しそう。なんの偏見も無くバレエにのめりこんでいく。好きなものに一心に打ち込む姿はとても共感を呼びます。大好きなものがあるっていいなぁ…
閉鎖的な炭鉱のストライキを交えて新旧交代を描く作品です。