前作の『~微笑の島~』からのセルフカバーという「自分探し」の流れが、こんな風に感じられる。
伴奏で誤魔化そうとはせず、あくまでボーカルでしっとりと歌い上げている。そう、ちょっと小洒落たクラブでグラスを傾けている客に対して、その空間を彩ってみようかな、というほんの少しの彼女の「思いつき」で。
そしてほんの少しの贅沢。夏川りみのシングル『愛よ愛よ』のカップリングとして提供した『微笑みにして』のフルバージョン(夏川版では本来の『微笑みにして』から数小節削られているとのこと)が作った本人の声で楽しめるのである。
これで彼女の今年のリリースは終わるだろうが、来年からがさらに楽しみになる、そういう「リハビリ効果」が聞いている私たち、そして彼女にあったのではないだろうか。