ストーリーは、内閣情報調査室のエージェントである法条まりなが要人警護の任務を、そして、名探偵天城小次郎が美術品の捜索の依頼を引き受けることから始まる。これら2つの事件がやがて交錯していき、感動の結末を迎えることになる。EVEシリーズ最大の特徴の1つが、マルチサイトアドベンチャーゲームシステムだ。事件解決の糸口が見えなくなってしまった時に、出来事を別の側面から見る「サイトチェンジ」を行い、別な視点から事件を追うことができる。
キャラクターの従来のイメージはそのままに、すべての原画を新たに描き起こし、高画質かつ緻密なグラフィックに生まれ変わっている。また、「C-Motion」という技法が導入され、登場キャラクターがフルアニメで生き生きと動くようになった。
限定版は、ゲームソフトとDVDサウンドノベル、設定資料集の3点セット。DVDサウンドノベル「EVE Memories」は、EVEに隠された謎に迫る約50分の大作ドラマやプロモーションムービーなどを収録している。設定資料集「EVE Encyclopedia PLUS」は、EVEシリーズ4作すべてを網羅した全128Pのフルカラーのハードカバー本だ。(江口謙信)
このソフトはザッピングシステム(Aの行動がBの行動に影響を与える)を
有機的に昇華した作品であり、ゲームというカテゴリーでの
エンターテイメントの新しい可能性を示した作品です。
むしろゲームというカテゴリーでなければ実現しなかったといっていいと思います。
最初は小次郎パートとまりなパートにわかれてプレイします。
この二人もキャラが非常に立っており、感情移入が非常にしやすいです。
二人がところどころで出会いますが、二人のパートで同じ場面が出てきます。
その際にお互いがなぜそういった発言をしたのかが二人のパートを通してわかるようになっており、
「同じイベントを2回繰り返す」というような作業感はまったくありません。
映画の「バックトゥザフューチャー」のような、
過去にもどって自分のやりとりを第3者の観点で見ている感覚に非常に似ています。
二人は全く異なった目的を持って行動するのですが、
次第に有機的にひとつの事象に向かって収束をしていきます。
このシナリオ運びが実に見事で、続きが気になってしょうがないつくりになっています。
途中にパソコンを使ったザッピングパートがありますが、これは本当に衝撃的で
今でもプレイした方々の語り草になっています。
プレイ時間は20~30時間といったところでしょうか。
また、この限定版はアナザーストーリーのDVDビデオとシリーズ一覧を網羅した
図鑑であるエンサイクロペディアが同梱されています。
エンサイクロペディアはシリーズのネタバレも多いため、何作かプレイしてから
鑑賞されることをおすすめします。
ストーリーは、本当に良くできていると思います。
ただ、PS2版ではシナリオ、原画、共に規制が厳しく、カットされた部分があるのは、とても残念です。
ちょっとした変更点で、嬉しいのが「チェンジナビ」ですね。
おかげで、サイトチェンジに躓くこともなくなって、よりスムースにゲームが進行していくようになりました。
しかし、エンディング直前の難関がなくなってしまったことにより、この作品の意外性、インパクトに欠けてしまったように思えます。
やはり、SS版の衝撃は大きかったですから。
限定版の特典は、良かったと思いますよ!