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シェルタリング・スカイ [DVD]

価格: ¥4,935
カテゴリ: DVD
ブランド: アスミック
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   第2次世界大戦直後、結婚生活にも人生にも行き詰まっている作曲家の夫(ジョン・マルコヴィッチ)と劇作家の妻(デブラ・ウィンガー)。ふたりはニューヨークから船で北アフリカを訪れ、そこで新しい“何か”を見いだそうともがく旅を始めるが…。
   ポール・ボウルズのベストセラー小説を原作に、イタリア映画界の巨匠ベルナルド・ベルトルッチ監督がアカデミー賞を受賞した『ラストエンペラー』に続いてエキゾチックな異国を舞台に描く超大作。ヴィットリオ・ストラーロ撮影による広大な砂漠の風景の中、人間の魂の彷徨とでもいうべき観念的テーマが繰り広げられていく力作である。音楽は『ラストエンペラー』に続き、坂本龍一が参加しているのも大きなポイントのひとつ。(的田也寸志)
空間と時を超える壮大なスケールの映像美の世界 ★★★★★
異国を旅するときの不安と、言葉の通じない異教徒の社会に迷い込んだ恐怖感、孤独感、死の恐怖など表したら右に出るものない映画です。

旅の途中の夫の死。恐怖と不安の果てに訪れた深い悲しみ。あまりのショックでたがが外れてしまい砂漠を彷徨う妻のキット。

そこからが正に旅の本番。

旅の恐怖から一転して壮大な砂漠の風景と民族を映し出す驚異的な映像世界に魅せられて初めて見た時に鳥肌が立ちました。

そして「すべての男と女は同じ男と女」という啓示のようなものをうけました。

それは映画の最後にでてくる年老いたポール・ボウルス本人の口から出てくるリンカーネーションやデジャブ的なものを思わせるセリフからも伺えました。

とにかく、空間と時を超えるよな壮大なスケールを感じさせる映像美の世界です。

原作を読んで内に漂っていた物がこの映像によって外に解き放たれたような感覚でした。

恐るべきベルトリッチ監督!
裏のマイベスト映画かも ★★★★★
今まで、少なく見積もっても15回くらい、繰り返し観た映画です。私にとっては他のどの映画よりも、愛の厳しさ・辛さが描かれた映画です。北アフリカの大地と空が、まるでそのことを象徴するように、怖いくらい果てしなく描かれています。映像も音楽も本当に素晴らしくて、より一層この映画の文学性を際立たせてくれています。
そして、個人的には、ジョン・マルコヴィッチがmost favorite actorであることを決定付けた映画でもあります。
私はあなたを守る空になりたかった ★★★★★
サハラの景色は美しい。朱色の大地と青空の対比。砂漠は夕焼け空のように美しく、白い骨のように無駄がなく清潔だ。
後半はほとんど台詞がない。音声がないのではなく、字幕がない。人がいて声が聞こえるだけに、通じ合えない孤独が際立つ。
ヒロインは一声も話さず、顔を隠し、私物を捨て、記憶まで捨て、個性を剥ぎ取られるようにして研ぎ澄まされていくほど、美しさを増す。

愛されたことを忘れるのと、愛したことを忘れるのと、どちらが悲しいことだろう。
人は忘れる。どうしても忘れる。いつか自分自身も忘れ去られる。待ち続けていても忘れられる。人生に終わりがあることまで人は忘れがちである。
孤独からは逃れえず、不安や恐怖に駆られることがあっても、空がシェルターになってくれる。空虚から守っている。このタイトルが切ない祈りのように感じた。
原作付き映画の難しさ ★★★★☆
ある水準を超えた小説を映画化する場合、
原作を忠実に再現しようとすればするほど、
種々の制約上、切り捨てざるを得なかった部分が
かえって目立ってしまいがちなもので、
十中八九、どこか不満が残る結果になるように思う。

タルコフスキーの『惑星ソラリス』が
レムの『ソラリス』とはほとんど別物でありながら、
むしろ原作を超えた傑作となっているように、
基本的な筋や設定を借りただけのかなり異質な作品を、
ほとんど一から作り直すぐらいの覚悟がないと、
原作付き映画というものは成功しないのではないか。

ベルトルッチのこの映画も、
ボウルズの原作が生半可な傑作ではないだけに、
その点でかなり苦労しているように感じた。
たしかにアフリカの映像は素晴らしく、
とりわけ砂漠の只中に開けるオアシスの緑は
文字通り目を洗うように美しいのだが、
原作では病に苦しむポートが見ることになる、
ほとんど形而上学的なまでの幻影の描写が圧巻で、
映像でそれを再現することがほぼ不可能である以上、
これに匹敵する力のある独自の映像が必要だったはずだ。

そこまでの熱みたいなものが、残念ながら
この映画からはもうひとつ感じ取れなくて、
「原作にやや見劣りする、ベルトルッチ流官能文芸映画」
の域を出られなかったように思う。
原作では、現代人の浅薄な理性を平気で飲み込むような
砂漠の恐ろしさがひしひしと感じられるのに対して、
映画のキットはけっこうあっさりと
文明世界へと生還してしまうように見えるのだ。

坂本龍一の音楽も決して悪くはないが、
キットが砂漠の遊牧民と行を共にする場面で、
現代アラブの歌謡曲のような音楽が流れるところが、
どうにもミスマッチのように思えて仕方がなかった。
「ミスマッチは意図的なもの」と坂本教授は言うかもしれないが、
ここでは「現代文明と隔絶した世界」を描いているはずなのに、
明らかに現代のポップ音楽ふうの効果音が入っているせいで、
砂漠の感興がかなりの部分、殺がれていると思う。
人生のドラマを感じる素晴らしい映画 ★★★★★
砂漠いっぱいに広がる喪失感がたまらない、
すれ違う愛、人生の切なさに苦しくなった。

この映画の面白いところは、誰でもキットと、
いつか同じ過ちをしそうと思えるところです。

失って初めて気づく空虚感、孤独や絶望に
見ている私も胸が締めつけられるようでした。

「迷ったのかね」と訊かれ、ホッとするような
微笑みを浮かべるキットが心に残りました。

混沌の中、ひとり残され苦しんでいた彼女は、
あの一瞬、心が楽になったのかもしれません。

異国情緒たっぷりな映像、砂漠の風景も美しく、
人生のドラマを感じる素晴らしい映画でした!