弟子の女性というか…
★★★★☆
生徒の女性、マネージャー気取りのお付女性、さらに言えば“中年”というのが正しい(ここが華村の嫌悪感の核となっているからだ)。
「紙の蜻蛉」は長年、虚無の中で探し続けきた“生きた芸術”にたどり着いた時は自分が逮捕される時という、なかなかに切ないラストを迎える。
他にも一見華やかな容姿の人々が抱えるどうしょうもない闇が引き起こした事件を、まるで彼らを包み込むように怜(泉目吉)が解決する様が描かれる。
たいていの犯人達はほとんど疑心暗鬼と神経症が進みすぎて“サイコ”の域に達していて、何言っても無駄だろうと思えるのだけれども、江戸生まれの目吉センセーの手にかかると涙を流して“お縄”にかかる。
「世の中が下らねえと思うのはいつでも一緒だ」と目吉センセーも口にするし、最もなことなのだが、それでも江戸時代の人情が犯人達の心を氷解させているのを考えれば、目吉と共に現代に人間らしい心を復活させてくれているような気もする。
目吉センセー最高!
★★★★★
8歳の少女に転生した、江戸の天才人形師・目吉。
無邪気な彼女が江戸言葉を操り、難事件を解決する・・・この設定にしびれます。
周囲の人間が目吉のことを「センセー」と呼ぶのも、愛嬌があって好き。
確かに目吉は闇の存在だけれども、本当の闇は現代に生きる人間のほうかもしれない・・・と思いました。
目吉先生の推理短編集
★★★★★
前作ドールズに登場した、目吉先生の名推理が冴えます。
この本を単独で読んでも楽しめます。
ひとつ、ひとつがとても面白くて読みきるのがもったいと思いました。
装丁が、ホラーになっていますが、推理小説が好きな方にもおすすめです。
何読んでも、、。
★★★★★
江戸の人形師・泉目吉 という実在人物を少女の身体に甦らせた設定の奇抜さもさることながら、ストーリーの面白は、抜群!人の闇を存分に引き出した、サイコミステリー。何度読んでも面白い。