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青葉の頃は終わった (光文社文庫)

価格: ¥560
カテゴリ: 文庫
ブランド: 光文社
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感動はしませんが ★★★☆☆
私がこの作品の登場人物たちと同い年(26歳?)ぐらいの頃に読んでいたら、主人公の瞳子を「うーっとーしーなー、こいつ」の一言で終わっていたでしょう。

でも、今やそれぐらいの年齢の子供がいてもおかしくない年になっていて、人間に余裕も少しは出来たので、まぁまぁ楽しめました。登場人物で高橋猛以外は、個人的に嫌いです。でも、この作家さんは、色々な表現力がある人だと思います。だから、嫌いな人ばっかりなのに、話はまぁ、そこそこ面白かったです。

ピアニストの竹内は、ちょっと現実離れしていて、なんだかなぁと思いますけど。現実離れ、と言えば、私は瞳子と同業者ですが、彼女の様な性格や思考回路の人間は、この仕事は、やっていけませんというか、多分あんまり一流の人ではないでしょう。そういう意味でもリアリティーには少し欠けると思いました。

どちらかというと、登場人物と同世代の女性向け、って感じでしょうか?

冷たい人間関係 ★★★★☆
主人公たちは26,7才で、大学の友人同士だった。そのなかの一人が突然自殺する。美しく我侭で他人とあまりうまくやっていくことができない女性が。

彼女を崇拝するあまり現実的にアプローチすることができず、別の女性と付き合っている男。彼女を崇拝するように友人付き合いしてきた女。彼女にアプローチしながら3ヶ月で諦め、なんとなくグループに居残ってる世渡りの巧い男。この三人の視点で物語は綴られる。

(ほかには、彼女を憎んでいると言って憚らず、彼女を通してしか恋人との関係を保てない女、彼女をモデルにしたとしか思えない漫画を書く女が中心的な人物だが、彼女たちの視点はない)

そして死んだはずの彼女からの手紙が届く。「わたしをころさないで――」

この人は、女性の目を通して女!性を書くと、崇拝のなかに冷たさが見え隠れしてリアルでいいなぁ。ガーデンでもそうだった。
でも男性視点の崇拝しまくり描写のほうがもっと好きですが。
あと複数視点で、今迄崇拝描写していたものの切り口を替えて多少、貶めたりするバランスもなんとなく好きです。氷室冴子チックな気も。

面白かったー。でも欠点は多いと思うしお勧め!とは言い切れない。でも好きです。

彼女を追い詰めたものとは? ★★★★☆
 大学時代のグループで、マドンナ的存在だった瞳子が自殺した。学生時代の仲間たちは、彼女の死が本当に自殺だったのか、その原因は何だったのか、仲間同士疑いながらそれぞれもつれた糸を手繰るように調べ始めるが…。

 人に言えないことは誰にだってある。彼女の死後、仲間のもとに届くダイイング・メッセージとも呼べる「わたしのことを、殺さないで」という瞳子からの葉書。そのわずか数文字の中に込められた彼女の苦悩。一人の登場人物の台詞「本当にそう思う? 私たちが本当に大人になったって」――三十路間近の人間が言う言葉ではない。だが翻せば、時間の経過に追いつけない心の成熟が、今ひとつ瞳子を苦しめたものなのかもしれないと思った。