我々は3年間待ったのだ!
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恵美押勝の乱からしばらくした後、再び朝廷を謀反の騒ぎが襲った。和気王の謀反である。だがそこに嶋足の許嫁の益女までもが巻き込まれていた。
かくして首謀者の和気王と上皇・道鏡の呪詛を行った益女は死罪を申し渡された。だが、益女はうれしかった。愛する嶋足の手に係り死んでいくのならば・・・。
益女の死後、腑抜けとなった嶋足の前にようやく天鈴と多麻呂が現れる。そして言う。益女の敵をとりたくはないのか!。そして嶋足は誓う、どんなことがあろうとも益女の敵は取ると。
だが、道鏡の権勢の前には容易に攻め込むポイントが見つからない。名案と思って実行した策も全て弾かれてしまう・・・。果たして、嶋足、天鈴、益人、多麻呂らに勝ち目はあるのであろうか。
本巻は、宇佐八幡からの託宣を受けて都に戻ってきた和気清麻呂が、天皇を始め全ての貴族たちの前で神からの宣託を述べるところがクライマックス。さて、一体どのような託宣が下されたのか・・・?
さすがに道鏡相手には天鈴・嶋足・益人・苅田麻呂の四名でも荷が勝ちすぎるのか。だが、ここで新たな仲間が。そう和気清麻呂。都で公正明大の判断ができる数少ない人物。この者を仲間に加えたことで、蝦夷たちの先に新たな光が差し込んできたような気分でもある。
なお第4巻のハードカバー版の発売は9月とのこと。できればハードカバーとしての出版よりも文庫版の発売を優先させて欲しいな。