読むペースが速くなってきた。
★★★★☆
この巻の主人公は経清の息子清衛である。まったくのフィクションなら、10~20代の青年期に彼が活躍するように作るのだろうが,清衛の場合はなんと35歳になって初めてその正体を現す。その忍従,経清の妻結有にはさらに当てはまる。人間の執念というものはここまで凄いものかと思う。そしてその運命のなんと哀しいことか。義家もなかなか面白いキャラクターとして登場している。この巻に至って、真の主人公は既に「歴史」と「東北の土地」に移っていっているように思える。本当はもっとゆっくりしたペースで読みたいと思っていた。しかし、小説としての面白さがそれを許さない。最終巻の義経編楽しみである。