縄文もの2
★★★☆☆
1999年に出た単行本の文庫化。
デビュー作『3000年の密室』につづき、縄文時代と考古学をからめたミステリとなっている。
凄く魅力的な事件だ。スケールが大きく、とうてい解決しえないような不可能事が提示されるのでワクワクする。
火山の噴火によってポンペイのようになった、縄文期の謎の村という舞台設定も興味深い。
しかし、解決に至ってガックリする。肩透かしもいいところである。
また、考古学的な知識や学説を取り入れるという面でも、前作より格段に落ちるように感じた。現実の考古学から離れ、あまりに「夢」を描きすぎたためだろう。