センセーの新たな一面を見ることができる
★★★★☆
「なめくじ長屋シリーズ」第10段。
相変わらず、金になりそうな事件に首を突っ込んでは、センセーを中心に摩訶不思議な事件を解決してお金を稼ぐ、なめくじ連のお話。
知恵が有り余るほどある、というセンセーは浪人風ではあれ、腰に刀も差していない。それでもこれまで、強そうな片鱗を見せてはいたが、実際に刀をとることはほとんどなかった。
しかし、この「いなずま砂絵」では、サムライだった頃のセンセーを垣間見ることのできる貴重な短編がおさめられている。強いばかりではなく、厳しく、そして優しいセンセーは特にカッコよい。
これだけ続いても(シリーズは11巻、20年にわたって書き続けられた)飽きない「捕物さわぎ」、必見だ。