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殺し合う家族

価格: ¥1,785
カテゴリ: 単行本
ブランド: 徳間書店
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実際の事件の記録を読んだ方が良い ★☆☆☆☆
実際にあった「小倉の一家監禁殺人事件」を描いただけなので、それなら
モデルになった実際の事件を取材したノンフィクション

豊田正義の 消された一家―北九州・連続監禁殺人事件 」(新潮文庫)
佐木隆三の「なぜ家族は殺し合ったのか 」(プレイブックス・インテリジェンス)

を読んだ方が良いと思う。
小説にしたことで、読者に現実を直視させなくなっていると思う。
それはあまり良いことではない。


新藤ワールド全開。溝鼠、炎と氷がアリなら読める。 ★★★★☆
私は、昔から新藤裏社会ノベルの大ファンであるが、数ある作品の登場人物の中で最低な男というのは何人もでてきている中で、本作品の富永もずば抜けている。
マインドコントロールされ、「自分を守る為に人を殺さなければならない状況」になってからの描写が素晴しい。
普通、日本で生きている中ではありえない事が普通に感じてくる。強者と弱者がハッキリしており、弱者は生き残る術を考えなければ、明日は自分が殺されてしまうかもしれないという状況下に置かれる。客観的に読んでいたら笑ってしまう状況になっているかもしれないが、登場人物の立場で考えれば納得のいく展開ばかり。これは裏社会うんぬんではなく、作者でしか描けない世界だと思う。
私にとっては、いい意味で裏切らない作品だった。

性的にも、肉体的虐待にも、溝鼠や炎と氷の描写と同等、いや、それ以上に目を背けたくなる場面がたくさんある。
風呂場で殺してしまってからの証拠隠滅の為に、ノコギリで人体をバラバラにするシーンがあるのだが、自分の胃液が序々にこみあげてくるのがわかる。

自分の事をサディストと感じている人でもショックをうけるでしょう。
溝鼠でも同じ衝撃を私は受けましたが、本作品の富永のサディストっぷりもスゴイ。
読み終えてから半年経ってからの書き込みであるが、今でも内容を思い出したくはないくらい酷い仕打ちをする。

評価が2極化していますが、なぜ低いのかがわからない。

読んでいる最中の私は、ほとんど眉間にシワを寄せながら読んでいただろう。
しかし、新藤中毒者にはたまらない表現、醍醐味であるのには間違いない。

自分が平和ボケしていると感じている人にはもってこい。

読んでからすぐにショックをうけ、呆然とするのも間違いない。

星4つなのは、確かに大声をあげてお勧めできる内容ではないからだ。
好きな人はとことん好きだと言える作品だと思う。

私はこれからも新藤作品を読み続けるだろう。
苦手です! ★★☆☆☆
苦手なノワール物と知りつつ読みましたが、やっぱり読後感は良くなかったです。
地獄絵巻を彷彿させる様なおぞましい描写もあまりにもリアルすぎて半ば斜め読み状態でした。

ラストに至っても救いがなく、予想通りの結論

人はどこまで悪くなるんだろうと言う事と、人が人を裁く限界の様な物を感じました。
何が伝えたいのか ★☆☆☆☆
例えグロテスクでも残虐でも、作者が何かを伝えたいかがあれば、
小説として
意味があるのかな、とも考えますが、
結局この事件の(あるいはこのフィクションで)
何を伝え、訴えたかったのかが、全く伝わってきません。
私の読解力のなさでしょうか?

グロテスクな表現が終始続き、結末にも救いがありません。
だから何なの!!!と言いたい作品。


黒い作品では新堂氏がトップクラス ★★★★★
なぜか評価の低い作品であるが、実際の監禁殺害事件をモデルに描いた本作品は、新堂氏の「黒い作品群」の中でもハイレベルな内容だった。

犯人は言葉巧みに相手に命令し自分の手を汚すことなく身内同士を殺させる。こうしたシーンは気分が悪くなるほどの描写である。
特に子供に実父の死体の解体を手伝わせる場面などは最悪の犯罪としか言いようがなく、逆に顔をしかめつつ夜を徹して読んでしまった。

こうした下劣・非道な犯行が長く書き綴られているが、終盤には心神耗弱者の犯罪に対する審判というものを考えさせられる面もあり、実はかなり良い作品であると感じた。

美しい恋愛ものを描く新堂氏は今一つという感じがするが、こうした作品では一流であることは間違いないと思う。