読ませていただきまして、ありがとうございます
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読了後、「こんなにも多くの命の吹き込まれた短歌と、その背景を読ませていただき、ありがとうございました」と新書に向かって頭が下がる思い。
定時制に通う生徒さん達の全ての短歌が、全てうまいとは言いません。
しかし、生徒達を指導した先生も含め、登場する関係者の人々が生きている証が強く感じられる話です。今、いろんな教育、子育て支援が言われますが、是非とも定時制は残していただきたい。
蛇足ですが、この春には高校3年生になる我が甥にも読ませようと、彼の住む街に手紙を添えて書籍を発送しました。
甥には父がいません。彼の父(私の兄)が亡くなってはや七年がたちました。彼の行く末に「力を貸してくれ」とは兄の言葉です。彼の父が存命なら、おそらく甥にこの本を薦めるのではと思ったのです。
生きること、働くことを再確認させていただきました
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読み終わって、素直に「ありがとう」と思ったのです。この本に綴られている生きた言葉に出会って、人生だとか仕事のことだとか、そして社会のありようまでも、教わることができたからです。短歌は、その人の心情を直接、読む人に伝える力があります。それを教えてくれたことにも、感謝します。2010年の年頭に読んで、本当によかったと感謝しています。
夜に開く華に乾杯
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定時制高校で1986年から短歌を使って指導した23年間の授業記録。生徒と教師たちの「格闘」も混ざり、感動の物語である。
「鉄工所僕の仕事はフライス盤仕上げの削り幅五〇ミリ」山方陽広君。1994年の作。
評者は定時制出身。四期生の76歳。鉄工所にも長く働いていて、山方君の言う「削り幅五〇ミリ」がいかに優れた技の成果かが分かる。
辛い話が多い。神戸大震災を経ての記録だから定時制でも並みの話ではない。
終章から読むといい。ほっとする話の陰に辛苦があると分かって読み続けやすい。
いま、定時制高校で定員を超える応募者があり、入学困難な校が続出しているという。ここにこそ予算を多く付けるべし。
拙駄作。「定時制卒えて今あり振り返る六十年の昔輝いてあり」(「輝いて」は「かがよいて」と読んで下さい)
「薄暗き教室にあり我が春の日々いま定時制に送り届けん」
まさに題名通り
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非常に読み応えがあり、学生や教師など教育に携わる人だけでなく、全ての人に読んでもらいたい本です。必ず何かを感じれる内容です。