このシリーズに共通なのですが、レイアウトがとても見易いように工夫されていて、読みやすいです。2ページ見開きに、当該箇所の訓み下し文・原文・注釈・現代語訳が全て載っていて、一々ページをめくらなくても、全ての情報がその2ページで理解できるようになっています。原文・訓み下し文だけでは現代人には理解しづらい古事記などの上代文学では、このようなレイアウトは特に有益であると思います。

また、訓読および解釈も、従来は日本書記の記述や本居宣長の古い研究に引きずられがちであったのが、
最新の研究成果を反映したものとなっており、既に他の校訂者の書籍で古事記を読んだ方にも、新たな発見があるでしょう。

大きさや重さの点から携帯には不便ですが、訓み下し文で古事記の素朴な文体を味わいつつ、内容もじっくり理解したいのなら、この書籍が2010年現在ではベストです。