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永久(とわ)への響き

価格: ¥3,045
カテゴリ: CD
ブランド: ビクターエンタテインメント
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   1999年10月15日と11月7日、東京オペラシティ コンサートホール・タケミツ・メモリアルでのライヴ録音。デビュー盤『奇蹟のカンパネラ』で弾いたのはリストとショパンだけだったが、この盤ではその2人にシューマンが加わった。
   シューマンのいくぶんメランコリックな側面はフジ子・ヘミングの資質に合っている。冒頭におかれた「予言の鳥」はこの小品のどこかミステリアスな響きがよく表現されているし、「謝肉祭」ではフレーズの表情が豊かで人物の会話を聴いているような気分を味わわせてくれる。第2曲「ピエロ」では、いたずらっぽいピエロが相手をからかい、なにかといえばまぜっかえしてみせる場面が頭の中に浮かんできはしないだろうか。また、第13曲の「コケット」では、何度となく繰り返される高音部の短い音型が印象的だ。ここから、媚を含んだ笑い声、もしくは本心からではない拒絶の言葉などに通じるものを聴きとることもできるだろう。
   アルバム中もっとも重量感があるのはリストの「葬送曲」。他の曲では見せないようなエモーショナルな演奏になっている。まるで親しい人の死のショックがまだ生々しく、静かに故人を偲ぶ気分にはなれないかのようだ。デビュー盤にも入っていた「ラ・カンパネラ」は、おそらく聴衆が一番聴きたかった曲なのだろう。フジ子・ヘミングも、いっそう練り上げた表情づけでその期待にこたえ、拍手喝采とたくさんのブラヴォーをもらった。(松本泰樹)