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トロイカ

価格: ¥3,150
カテゴリ: CD
ブランド: ユニバーサル ミュージック クラシック
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   一聴して、フジ子の演奏とすぐわかる。それほど強烈な個性が輝いている。

   特に印象深いのは、冒頭の「幻想即興曲」。いたずらにつっ走らないで、音色とニュアンスの豊かさを最大限に生かそうとしている演奏だ。なかでもコーダで中間部の歌謡的なテーマが戻ってくるところをゆっくりと強調して弾くところは、大変意味深い解釈だと思う。こうした短い曲でフジ子の個性が音楽の本質と結びついたときの結果は素晴らしい。「英雄ポロネーズ」は、悠然たるスケールと、力まない恰幅の良さが、ユニーク度満点で、細部の表情も考え抜かれている。クナッパーツブッシュや朝比奈隆がピアノを弾いたらこうなるのではと思うような、柄の大きい演奏である。「別れのワルツ」のたっぷりとしたルバートやきらりと光る装飾音も耳を惹くものがある。

   後半のメイン曲であるチャイコフスキーのピアノ協奏曲第1番は、異常なスローテンポの揺れに評価が分かれるところだろう。非常にユニークな演奏であることは確かだ。この曲は、通常猛々しく、オーケストラとつばぜり合いするような「競争」的な演奏が多く、作品自体もそういうものと思われている傾向がある。しかしフジ子は、「競争」に参加することにはまったく関心を持っていない。音楽がどんなに急いても、決してあわてず、自分のペースを守り、オーケストラを従えながら、ひとつひとつの楽句に念入りに色をつけていく。その中にいままで耳にしてきたこの曲の演奏とまったく違う美しさをもった表情が立ち現れてくる瞬間が、何度もあるのはさすがだ。2002年10月、横浜でのライヴ・レコーディング。(林田直樹)

反面教師にすることはできるかもしれませんが… ★☆☆☆☆
フジ子・ヘミング女史は、感情に訴えかけるための様々なアプローチをしているようですが、音楽的には余り好ましくない部分が多いように思います。
フジ子・ヘミング女史には申し訳ありませんが、私には良さが理解できませんでした。
また、余りにも常識離れしすぎた演奏だったためか、それとも私の頭が固いだけなのかは分かりませんが、音楽論的に正しいとは思えませんでした。

感情だけで演奏するのではなく、譜面に記載される正しい速度と正しいアーティキュレーションで演奏することも必要だと皆様は思いませんか?
作曲家達は、演奏される音楽が本来持つ素晴らしさを最大限伝えられるよう、大切に大切に思いをこめて譜面を完成させたはずです。
その思いを勝手に捻じ曲げて解釈しては、いけないような気がするのです。

最後に、もしよければ他のピアニスト(「小山実稚恵」さんや「ユンディ・リ」さんなど)の演奏も聴いてみてください。
そうすれば、私の示した意味が大なり小なり分かるかもしれません。

私のレビューを最後までお読みくださり、ありがとうございました。
テクニックに問題があることを露呈させる協奏曲 ★☆☆☆☆
この人の演奏は、数奇な人生とからめて聴かれることが多いのではなかろうか?純粋に演奏だけを聴けば、評判ばかり先行し、実力には首をかしげたくなるピアニストだと思う。独奏曲は悪くはないが、協奏曲は総じてダメ。技術不足が露呈し、演奏が平板になってしまう。このチャイコフスキーの第1番もスローテンポだが、芸術性の高さによる必然的なテンポ設定ではなく、この作品を弾きこなすだけの技術がないためだと感じた。あまたあるこの曲の優れた演奏を聴けば、一目瞭然だ。バックのオーケストラも凡庸だ。高い芸術性は、技術の高さが基盤にあって成し得ること。ピアニストに限らず、技術に問題がある演奏家は一流にはなれない。
チャイコのピアコン。この演奏を探していた。 ★★★★★
私は、チャイコのピアコンをもっとスローテンポで弾いてほしくて、名演といわれているものや、大家のCDを買いあさりました。
しかし、どの演奏もテンポ設定は早めで、私にしっくりくるものがありませんでした。
そんな時この演奏を聴いて、鳥肌が立ちました。
まさにぼくの理想としていたテンポ、堂々たる流れのチャイコフスキー・・・
このスローテンポだからこそ生み出せる情緒や新発見にあふれ、まさにやっと理想のCDを見つけ出したという感動でいっぱいです。

しかし、これは誰にでも無条件でお勧めできるというものでもありません。
特にピアノの音色についてですが、フジコヘミングの、流れるような鍵盤のタッチは、賛否が激しく分かれるところです。
一音一音を丁寧に、ハッキリと浮き立たせて弾くピアニストが好きな方は買うのを控えたほうがよいでしょう。
あと、推進力の強い、グイグイ引っ張って行くような演奏が好みの方にもお勧めできません。

フジコヘミングのピアノのタッチが特に気にならない方
音楽に、ゆったりとした流れを求める方
いままで、なんかこのチャイコのピアコンが好きになれなかった方
そんな方々には、この1枚を強烈にお勧めしたい。
トロイカ ★★★★★
フジコヘミングの弾くショパンとチャイコフスキーの名曲です。このCDの演奏はまさにヘミング流の音楽が最初から最後まで流れています。今までのピアノ演奏家の解釈とは全く異なる音楽がここにあります。ショパンの幻想即興曲はヘミングの演奏では従来のショパンの面影がなく別の情緒のある流れるような音楽へ変身しています。これは彼女のもつ音楽観によるものと考えますがこれほど再現される音楽が変わるのを過去私は聞いたことがありません。チャイコフスキーのピアノ協奏曲も従来の演奏とは全くことなり雄大、優雅という言葉が似合う音楽に変わっております。このCDは2002年10月横浜と2003年3月東京で録音されたものです。
“フジ子耳”ならハマるかも♪ ★★★★★
フジ子・ヘミングの場合、どのアルバムでもそうだけど
「彼女の(解釈や)弾き方が好きじゃないって人は、無理して聴くことないですよ」
としか言いようがない。 ピアニストは他にもいっぱいいるのだから。
でも、何かしらに惹かれてしまったら抜け出せないこの魅力。 それはこの音に選ばれた人間(フジ子耳)にしかきっとわからない。

ショパンの良さって、最近まで知らなかった。
ピアノを弾くからこそ理解できる魅力というのもあるだろうけど、弾かない私は、綺麗なメロディだな、とは感じても、よく描けた絵画を離れて鑑賞しているような感覚でいた。
それを開眼させてくれたのがフジ子・ヘミングの演奏であったのだ。 彼女の音にはなんとも言えない奥行きがあって、耳慣れた「幻想」や「ポロネーズ」が、絵ではなく建築物のように脳裏に迫ってくる。 石造りの門扉を抜けて、奥へ歩いて行くような感覚にとらわれた。 芸術というものは何でも、受け手が引き込まれ、受動→能動的に自分から手を伸ばしてつかんだ時に大きな感動として受け取るのだと思う。 フジ子・ヘミングの演奏で初めて、私のショパンに生きた色がついた。

「ピアノ協奏曲第1番」も以前から好きではあったが、ピアノのための曲という感覚は正直なかった。“チャイコフスキー自身がピアニストでないから”という話は有名だが、それを根底からひっくり返すほど、フジ子の「第1番」は「ピアノ曲」になっている。 すごいです。 これだけ思う存分この雄大なメロディーを弾ききればピアノも気持ちよかろう、とスカッとしますよ。

「カンパネラ」や「ノクターン」で“フジ子耳”かも(^^)> と感じた方へ、次の1枚としてお奨めします。