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精神疾患・発達障害に効く漢方薬―「続・精神科セカンドオピニオン」の実践から (精神科セカンドオピニオン)

価格: ¥2,415
カテゴリ: 単行本
ブランド: シーニュ
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ひとつの考え方に凝り固まってはならない。見抜く力を養う大切さ ★★★★☆
タイトルどおり『精神疾患・発達障害に効く漢方薬』を教える本である。
ただし、著者自身も主張するようにこういうものは個体差があるので闇雲に信じぬよう、
誰にでも万能と思い込まないことである。
何しろ大事なのはセカンドオピニオンを聞くことである。

本書では,心理療法に対する著者の考え方が述べられていて興味深い。
・精神分析……否定
・アートセラピー……肯定
・曝露法……危険なことも,条件づき肯定
・オペラント条件づけ……基本,肯定
・来談者中心療法……これを満足に行える臨床心理士が日本にドレだけいるのか
・催眠療法……懐疑的、退行催眠はうそ、プラセボか。
ほかに、EDMR とか、TFTなどもあるらしいが,私はそれ自体を寡聞にして知らない。

さらに.最近話題の春ウコンについての評も出ている。

薬に丸投げする精神科医を全否定しているが,私は、それには諸手を挙げて賛成である。
この人達は「薬剤性うつ」なんていう病気まで作っているのである。
漢方薬を使わないなんてもったいない! ★★★★★
 当初、私の頭の中では、「精神疾患・発達障害」と「漢方薬」とがうまく結び付きませんでした。素人なりに西洋薬には詳しいつもりですが、正直な話、漢方薬といえば風邪のときに飲む葛根湯程度の知識しかなかったのです。柴胡加竜骨牡蠣湯、甘麦大棗湯、抑肝散などなど、「精神疾患・発達障害に効く漢方薬」がこんなにあったとは…。
 つまり、私はこの本を読んで初めて、右目(西洋医学)と左目(東洋医学)の両方で精神科の薬物療法というものをとらえられるようになり、遠近感ただしく理解できるようになったのだと思います。向精神薬減薬の大きな足がかりを得たような気がします。
 西洋薬と漢方薬の双方を使いこなせる医師はまだ少ないと聞きますが、その知識と経験、それから患者・家族の貴重な体験が詰まっており、本当に勉強になる本でした。
地上の旅人より、長嶺ドクターの書評 ★★★★★
私の書評を書くべく考えておりましたが
信頼できる筋より、長嶺ドクターの書評が「公開オーケー」との条件で送られて参りました
これ以上の書評が、私に書ける筈もございません

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東洋医学を応用して,心を病む人間を診るための本が出版された
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吉南病院(山口県)内科
長嶺敬彦
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精神疾患はDALY指標(障害指標)でみれば,悪性腫瘍,循環器疾患と並んで人々の活動的営みを脅かす3大疾患の一つである。悪性腫瘍や循環器疾患には,国を挙げての取り組みが行われている。しかし精神疾患への取り組みは不十分といわざるを得ない。
一方,最近発表されたデータ(Kuehn BM:JAMA. 303:1582-154,2010)によれば,米国で一番売れている医薬品の種類(クラス)は「抗精神病薬」であるという。安易な抗精神病薬の投与が行われている可能性がある。わが国でも,抗精神病薬による薬害は減少する気配がみられない。抗精神病薬を否定しているのではない。不適切な使用が問題なのである。
精神疾患の診断・治療は,部分である精神症状に惑わされず,全体を見る視点が重要である。精神症状の寄せ集めで精神疾患を診断するとしばしば誤診を誘発し,不適切な抗精神病薬の処方に結びつく。発達障害を統合失調症と誤診するなどである。このことについては,精神科セカンドオピニオン1と2(いずれもシーニュ)で詳述されている。
今回それらをさらに発展させ、精神科治療に東洋医学の発想を持ち込んだ画期的な本が出版された。内海医師による「精神疾患・発達障害に効く漢方薬(シーニュ)」である。誤解をしないでいただきたい。精神疾患を漢方薬で治療しようという狭い視野に立った本ではない。西洋医学と東洋医学の融合を試みた本である。部分の異常を説明することに優れる西洋医学と全体を診る視点に優れる東洋医学を,精神科医療の現場で融合した本である。
狭い精神医学の中だけで抗精神病薬の不適切な使用に警鐘を鳴らしても,新たな「知」は生まれてこなかった。精神薬理学や操作的診断法が進めば進むほど,それらを全体から眺めることが必要である。内海医師のこの本は,現代の生物学的精神医学を否定しているのではない。生物学的精神医学に全体を見渡す視点を提供し,これからの精神医学の方向性を示している点がすばらしい。抗精神病薬を有効に使用するために,西洋医学とはパラダイムが異なる東洋医学を持ち出した点がユニークである。精神症状ではなく,人間を診る本が出たのである。西洋医学にも東洋医学にも造詣が深い内海医師でなければ書けなかった本である。
西洋医学と東洋医学の融合というと難しい内容の本と思われるかもしれない。しかし内容は難しくない。漢方に詳しくなくとも,実例をもとに基礎から解説してあるので非常にわかりやすい。わかりやすいが故に,本書の記述をもとに,この症状(病態)にはこの漢方が効果的だという短絡的な使い方をしないで欲しい。記述はわかりやすいが,その奥には人間を診る視点があることを理解して,本書で示された症例の処方を臨床現場で応用して欲しい。
内海医師は「日本一冷酷な医師」を自称している。それは「患者に治療の丸投げをするから」と本書の「おわりに」に書いてある。しかし読者は本書を一読すれば,内海医師がなにより患者を信用し,大切にしている姿勢に気づくであろう。「あなた(患者さん)の好きなように」と突き放すとき,そこには冷酷さは微塵のかけらもなく,暖かな眼差しがあるだけである。日本一冷酷な医師とは,日本一患者に優しい医師である。「あなたの人生はあなたのために,あなた自身が自由に描いて下さい」という内海医師の優しいメッセージを読み取ることができる。
近々筆者も抗精神病薬の適正使用に関する本を上梓する。「抗精神病薬をシンプルに使いこなすためのEXERCISE(新興医学出版)」という本である。この本は,「抗精神病薬はシンプルな使用でもっとも効果を示す」ことを練習問題から実感してもらう本である。この本の中で筆者は,「抗精神病薬を上手に使いこなす名医は,患者の将来が予測できない」とパラドックス的に表現した。病状や経過を予測できる医師が必ずしも名医ではない。現代の精神医学は患者に対してレールが敷かれたような画一的な方向性を示し始めた。その中心は精神薬理学に基づく受容体理論であり,操作的診断方法である。それらを否定するのではなく,それらの理論を臨床で有効に活用するには,レールを敷かない視点が大切である。内海医師の本は,精神薬理学を東洋医学で補完することに成功した。筆者が近々出版する本は,精神薬理学を脳科学で補完することを試みた。東洋医学と脳科学という方法論の違いはあるにせよ,精神薬理学を補完する「臨床知」を模索している点は,内海医師も筆者も同じである。
しかし内海医師と筆者では,決定的な違いが一つある。それは,精神医学という城の本丸に攻め入っているかどうかである。内海医師は自ら向精神薬の減量を行い,漢方での治療を併用し,直接的に多くの患者を治療している。それに対して筆者は,抗精神病薬による身体副作用の治療は行っているが,その原因を作った不適切な抗精神病薬の投与に関しては何もしていない。自らが抗精神病薬を操作することはない。両者には,精神医学の本丸での戦いと城の外での戦いの違いがある。当然,本丸での戦いは命がけである。内海医師の勇気に最大限の賛辞を送りたい。腰抜けの筆者は城攻めを行わないかわりに,城下の一住民の立場で田畑を耕すことでお許しいただきたい。精神科医療がりっぱな実をつける日を楽しみに,筆者は今日も鍬をもつ。