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第二の銃声 世界探偵小説全集 2

価格: ¥2,447
カテゴリ: 単行本
ブランド: 国書刊行会
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《ロジャー・シェリンガム》シリーズの第五作 ★★★★★

ミステリという定型の文学に対し、ひたすら揶揄と
ツッコミを行ってきたバークリーの代表作のひとつ。

本作では、某超有名作と同じ趣向が採られていますが、それは、
あくまで手段に過ぎず、主眼となる目的は、本格ミステリの類型
(名探偵には卓越した推理力があり、警察は頑迷で無能、真犯人
はなぜか必ず意外な人物で……etc.)を洒落のめすことにあります。

そういった意味で、本作の大半を占める手記の執筆者であり、筆頭容疑者
でもあるピンカートンのキャラは、出色の出来といえるのではないでしょうか。

ピンカートンは過度に道徳的な性格で、その世慣れない言動が周囲の嘲笑の的になる
学者タイプの人物。彼は、自分の容疑を晴らすことを探偵であるシェリンガムに依頼する
のですが、なぜか他の関係者も有罪にならないように取り計らうことを要請したり、つい
には、彼のために罪を被ろうとした娘を庇うため、殺人の自白までします。

そうした、一見、支離滅裂な言動をするピンカートンの愛すべき人柄こそ
が、実は本作の真相を単なる悪ふざけに陥ることから救っているのです。


そして、もう一人、探偵役であるロジャー・シェリンガムも忘れてはならない
でしょう。彼は決して無能ではありませんが、“失敗”を宿命づけられた存在。

彼の華麗な“失敗”は皮肉の効いたもので、何とも哀れでもあるのです
が、彼以外に本作の事件を解決できなかったというのも、また事実です。


二人の愛すべき男たちを中心に奏でられる調子外れのシンフォニー――。



要するに本作は、フェアな犯人当てなどではなく、いかにもバークリー
らしい、アイロニーとブラックユーモアに満ちた犯罪コメディなのです。




通好みの作品 ★★★☆☆
本書「第二の銃声」は、
ミステリ黄金時代を代表する作家
アントニー・バークリーの優れた作品でありながら、
これまで完訳がされていなかったもので、
ミステリ好きなら、思わず手に取りたくなる本です。

探偵作家ジョン・ヒルヤードの邸で
作家たちを集めて銃を使った殺人劇が行われるのですが、
被害者役のエリック・スコット−デイヴィスが
本当に銃殺されてしまうのです。
疑いをかけられた本書の語り手、
シリル・ピンカートンは、
知り合いの探偵、
ロジャー・シェリンガムに助けを求めるのですが・・・。

この作品、私は、
読み始めてすぐに結末が分かってしまいました。
それは、あまりに有名な先行事例があるから。
実際、真相に気づいてしまう人は多いのではないかと思います。
その作品を読んだ人なら、
あるシチュエーションにくると、
すぐにその結末を疑ってかかるに違いないからです。

本書解説によると
作者はその先行事例を扱った作品の
欠陥部分を補うように本書を書いているのだそうです。
確かにそういう目で見ると、
構成上際だった作品といえますが、
ミステリは予想もしなかった結末が
待っているから面白いのであって、
構成美が先行するのはいかがなものでしょうか。

また、本作品では殺害方法にトリックが凝らされていますが、
こちらも初めの方で想像がついてしまいました。

結局、本書では、私がミステリに求めている、
意外性や驚きを感じることはできなかったのです。
ただ、「巧い小説」であることは認めます。
類似の先行作品よりも構成の点では上を行っているのかもしれません。

本書は、いろいろなミステリを読んできて、
評論家的視点で作品を評価する人に向いている−−
いわゆる通好みの作品なのではないかという印象を持ちました。
古典あなどりがたし ★★★★☆
名うてのプレイボーイが殺人劇の最中に殺され、登場人物の全てに動機と実行の可能性が与えられる。
果たして犯人は?その殺害方法は?
発表が1930年というかなり古い作品ですが、ラストのインパクトは一級品。
内容はネタバレなので書けませんが、最後16ページのエピローグでそれまでの物語を反転させる仕掛けがあります。
結果クラシカルな探偵小説の形式をとりながら、読み終わった後に感じる印象はかなり異質です。
(中盤のラブロマンスもキュートで微笑ましいのですが・・・これも最後まで読むと・・・)
訳文も読みやすいので、古典と臆せずトライして欲しい一冊です。
一瞬言葉を失い、そして”にやり” ★★★★☆
House of Stratus版Hardcover(指がとても疲れました)。事件そのものも地味だし探偵の華々しい活躍も無いけれど途中で飽きずに最後まで面白く読めました。しばしば某作家の某作品-仮に’X’とします-と比較される様ですがこちらの方が数段上だと思います(たまたま例の作品’X’のすぐ後で読んだにもかかわらず)。読み物としてはるかに優れています。私はどちらの小説も展開・結末共に知識無しで読みましたがこの物語の真相を知った時は’X’の探偵による種明かしの時以上に唖然・呆然と(いや、実際には比べられないですね、’X’の犯人も仕掛けも当てるのは簡単だったので)しました。事件の核心から上手く読者の注意を逸らす事に成功しているし犯行手口も少し荒唐無稽だけどdeliciously凝ってます(ingenious!!!?)。過度にもったいぶった記述が少なからずあり、謎解きの魅力がいまいちと言う難点を考慮に入れてもこの小説は充分読み応えがあって評判を裏切らないものだと思います。 ユーモアも適度に盛り込まれて他のバークリー作品にも興味を起こさせた一編です。
フェアなアンフェア ★★★★★
これはフェアな作品ですがアンフェアです
確かにすべて正しく書いてあるのですが
一杯食わされること間違いなし
手記という構成をうまく生かしている作品です