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専守防衛──日本を支配する幻想 (祥伝社新書 195)

価格: ¥798
カテゴリ: 新書
ブランド: 祥伝社
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〈専守防衛〉を支えたのは「曖昧さ」・「いい加減さ」。21世紀での「生きる知恵」ではない。 ★★★☆☆
「当事者同士の話し合いですべてが解決するならば、この世には警察も裁判所も必要ない。
だいたい話してわかるならば…核廃絶のための団体がなぜ旧社会党系の「原水禁」と共産党系の「原水協」に分裂したのだろうか」

主観を排して上の文章を読解できない者に、本書は用をなさない。旧社会党や共産党の議員には、無理だろう。中学生の国語からやり直せ。〈専守防衛〉自体の問題は、本書では以下の指摘に尽きる。法律論はお笑い日本の防衛戦略―テロ対策機密情報に軍配が上がる。

(必要最小限の専守防衛では)軍事的なオプションをはじめから制限している上に、抑止力に足る十分な軍事力を持っていなければ、敵は勝てると思って戦争を仕掛けてくるに違いないから、実は戦争を誘発する可能性が高い。…基本的に本土防衛戦だから、民間人の被害が極めて大きくなる。

このような議論を始めると「敵とは、中国のことですか?」と憤るTVコメンテーターもいるが、筆者は、
「周辺諸国が潜在的脅威であり、仮想敵国に決まっている。
中国は24発の核弾頭を搭載した弾道ミサイルを我が国に照準を合わせている」
と言い切る。ただ、<専守防衛>に必要な軍事力に対し、現状でどれ位不足なのか、といった議論はない。
・海外での兵器の見本市派遣は少人数の、ご褒美扱い(情報貧国)
・陸自と米陸軍、海自と米空軍の共同作戦は困難(設備の不備)
といった〈専守防衛〉に起因する日本の防衛上の問題点を明らかにしている。その上で、
・対インドODAで、中国の日本に向けられた軍事力を間接的に削減する
・島嶼領土を守る水陸両用部隊(海兵隊)を、陸自の人件費を削減することで創設する
などの提案をしている。核武装についても「基本的に反対」と断った上で、いくつかのシナリオを元に冷静に検証している。

田岡俊次氏(元朝日新聞)には、ぜひ本書に反論を試みてもらいたい。勿論、再反論で論破されることを期待している。
「専守防衛」についてだけ書かれているわけではない ★★★★☆
 「専守防衛」については、他のレビュアーさんも書かれているように、「太平洋戦争での沖縄戦のような悲惨な戦いになる」、「戦術的にもとても不利な戦法」という著者の主張に納得できる。
 日本には、専守防衛や非武装中立論や非核三原則など、日米安保条約のもとで長年たまたま平和だったからこそ言えることを思考停止のまま主張する人がいる。私は、好戦論者ではなく、核武装論者でもないが、国民のあまりの軍事知識のなさと戦争・平和に対する思考停止には危機感を覚える。
 本書は考えるきっかけを与えてくれる本であり、貴重な本といえる。

 ただ、私は、本書に関して、「どこまで事実関係をきちんと調べた上で書いているのか?」、「いろんなことが好き勝手に書いてあるなあ」、「一読しただけでも少なくとも数箇所に誤字があり、きちんと書かれ校正作業された本なのか」と思った。
 どちらかというと、「事実の冷徹な分析に基づく本」ではなく、「著者のご意見拝聴の本」といえ、いやな印象を持つ読者もいるかもしれません。
「専守防衛」というのは論拠のない原理主義だ ★★★★★
日本人が戦後、金科玉条のように語ってきた「専守防衛」とは何か?
専守防衛においては、敵の先制攻撃を受けるまで反撃できず、また敵本国の拠点やミサイル発射基地に対する攻撃はできない。必然的に日本国土が主戦場になることを意味する。沖縄戦が思い浮かぶ。

ソ連は崩壊し、北方の軍事的脅威は大きく後退したが、中国や韓国との間の領海・領土問題、北朝鮮との間の諸問題は今尚解決の目途はない。現実的に、本土に軍事侵攻される危険はまだほとんどないが、島嶼が制圧を受けるリスクは現存する。現に竹島は韓国に奪われ、台湾や東シナ海を狙う中国による威嚇行為は終わらない。

そうした時に、いや、そうなるのを予防する意味で、本来必要なはずの、島を取り戻すための装備が、日本の自衛隊にはない。もちろん敵の拠点を制圧するための装備もない。他方でほとんど活躍の場のない戦車が配備されていたりもする。指揮系統も有事に備えたものになっていない。駐在さんでは離党を守れるはずがない。

国防問題をタブー視せず、現実を直視して、真剣に議論すべきだ。国民の命と財産を守れないようでは、真の平和国家とは言えない。
(ただし作者は軍拡せよとか、核保有せよなどとは一言も言っていない)
皆が口にする「専守防衛」。それは可能かを具体的に検証する。 ★★★★★
戦後日本の国是として皆が口にしてきた「専守防衛」。しかし、今日的な状況の中、どれだけの人間がそのことについて現実的に考えているだろうか。実際にそれを文面どおりに実行しようとすると敵が侵攻してきてからしか戦えず、しかも自分の国土を戦場としなくてはならない。その結果、自分の国土がどうなるか。日本人の生命・財産はどうなるか。この本ではそれらを真剣に検証し、その現実的でない様を暴き出している。
一方、スイスやスウェーデンを中立の「理想の国」と持ち上げる人も多いが、これらの国には軍隊も徴兵制もあり、核シェルターを建設したり、各家庭に武器弾薬を備蓄したりして国防につとめていることを知らない、知ろうとしない人もいる。そうした他国との比較からも現在の日本のこの方針には疑問を抱かざるを得ないことも述べられている。
現在の周辺諸国との関係上、実際に日本の本土への大規模な他国の侵攻は考えにくいことは確かだ。一方で離島などへの侵攻や占拠が多発する可能性は高いと筆者は冷静に状況を分析した上で述べている。しかし、自衛隊にも海上保安庁にもそうした侵攻に対処するための装備も部隊もなく、諸外国の国境警備隊に相当する機能も欠如している。これらの点についても自衛隊や海上保安庁に対しての具体的な装備の調達や組織の改編についても述べており、現実をよく直視してきちんと調べて書かれた内容であることがわかる。もちろん、単純に危機を煽って軍備に金をかけろというようなレベルの本ではないことは言うまでもない。自衛隊の装備には一部に無駄な金をかけすぎる一方、必要な装備が欠如しているということを前著に引き続き、そしてこうした国防の具体策の面からも改めて提示してくれている。