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女王国の城 (創元クライム・クラブ)

価格: ¥2,310
カテゴリ: 単行本
ブランド: 東京創元社
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江神シリーズ最高峰 ★★★★★
江神シリーズの最高傑作。


過去同じ村で起こった事件と現在の事件が並行して
描かれていく。


ネタバレになるので詳しく書けないが、それらが解決
されたときに事件の構図が明らかになり、
同時に犯人限定につながっていくプロットは
本当にスリリングで見事としか言いようがない。


私はすれっからしのミステリ読者だが久しぶりに少し身震いした。
その構図の妙は全3作をはるかに凌いでいる。




新本格を引っ張ってきた著者の底力を感じる大傑作。


トリックに感動なし ★★★☆☆
なーるほど!そうだったのか!やられた〜!という場面なし。
散々引っ張った女王様に会えない理由って・・・え?そんな理由?と思ったし。
11年前の迷宮入り?した事件の真相も、そりゃ無茶だろっていう内容。
有栖川さんの本はこれが初めてだったけど、ちょっと期待はずれに終わりました。

量が多かったから読むのに時間がかかったが、報われなかった。残念。
《江神》シリーズの第四長編 ★★★★★

会組が出会った宇宙人“ぺリパリ”の再訪を信じる宗教団体〈人類協会〉の
本部〈城〉で、かつて“ぺリパリ”が降り立ったとされる不可侵の場“聖洞”を
見張っていた協会員が何者かに絞殺される事件が起きた。

現場からは監視カメラのビデオテープが持ち去られ、代わり
に、震える字で、「ペリハ」と書かれたメモが残されていた。

しかし、〈人類協会〉は警察に通報しようとせず、江神を
はじめとする推理研の面々は〈城〉内に軟禁されてしまう。

やがて第二、第三の惨劇が起き、一連の事件の背景に、11年前に
現地で起きた密室殺人があることがしだいに明らかになるのだが……。



11年前の事件で使われた拳銃を媒介に、過去
と現在が鮮やかに結びつく趣向が美しい本作。

不明だった犯行時刻を絞り込むことで、容疑者のアリバイを崩すのではなく、
凶器の入手経路を特定するというロジックの展開の強度と切れ味は抜群です。

また、犯人が死体にほどこした偽装が、アリバイ工作のためではなく、
切実ながら歪な動機に基づくものであったところなども見逃せません。


真相究明後、〈人類協会〉が事件を警察に通報しなかった理由
や江神が〈城〉を訪れた目的などもきちんと明かされ、大団円へ。

個人的には大満足でしたが、次作の発表が何年後になるのかだけが気がかりですねw




15年間分てんこもり ★★★★☆
 待ちに待った、というよりは半ばあきらめていたシリーズ4作目です。
 
 15年ぶりということで、その間に流れた時間を作中では流れていないことにするための記述がちょっと不自然に感じられてしまいました。
 あちこちで「これは15年前の設定ですよ」と念押しされているようで…。
 あとは、UFOや宇宙人の話が私には多すぎました。大脱走とかくれんぼも長いような。
 このあたり、筆がのりすぎているように思いました。

 トリックに関してはいろいろ指摘もありそうですが、容疑者を並べて犯人をあぶりだすシーンはシリーズ初で(月光ゲームとは探偵のスタンスが違います)、どきどきしながら楽しめました。
 また、クローズドサークルになった理由がかなり新しくて驚かされました。異論もありましょうが、「理由」としてはすっきりと気持ちいいほど直球だと思います。
これだけの大長編を飽きずに読ませるには、筆致、トリックとも、物足りない ★★☆☆☆
世の中には、おびただしい数の長編ミステリが溢れており、読む時間が限られている身としては、凡作に時間を費やす気にはなれないので、「本格ミステリ大賞受賞」、「本格ミステリ・ベスト10第1位」という、この作品に対する専門家筋の極めて高い評価には、どうしても、気を引かれてしまう。 

しかし、自宅に届いた上下2段組みで503ページにも及ぶ分厚い本を目にして、嫌な予感に襲われてしまった。というのも、私は、有栖川有栖の作品を読むのは初めてなのだが、私のこれまでの経験からすると、これだけのボリュームの長編ミステリは、作者によほどの筆力がないと、作品がどうしても途中でだれてしまい、読む方の集中力が削がれ、ラストまで読み進めるのに苦痛を感じてしまうからなのだ。 

結論からいうと、残念ながら、その予感は当たってしまった。まず、最初の事件が起きるまでに何と166ページも掛けたり、本筋から外れた城からの脱出劇に50ページ以上掛けたりといった間延びした展開がいただけない。後から読み返してみると、そうした展開の中にも、幾つかの伏線が張ってあったことはわかるのだが、それにしても、全編を通した、緊迫感のない、だらだらとした凡庸な筆致は、何とかならないものだろうか。作中で、しばしば作者が披露している無用なうんちくの数々も、冗長さに、一層、輪を掛けている。 

また、この作品を読んでいると、どうも、「最初にトリックありき」で、「人類協会」という特異な団体とその城や、11年前のある事件など、全てがこのトリックを成立せしめるために、作者が無理矢理あつらえた設定という不自然さ、わざとらしさを感じてならないのだ。肝心のトリック自体についても、これだけの高評価の本格派ミステリなら、読者としては、当然、アッと驚くレベルのものを期待してしまうのだが、11年前の事件の真相を含め、拍子抜けするようなレベルのものに終わってしまっている。