身に沁みるすばらしい書籍である。子供にも読ませたい1冊です。
★★★★★
この本は江戸中期の1716年に学者・勝田祐義が編纂した寺子屋で使用する教科書「金言童子教」を齋藤孝氏の解説により読み解いた本である。
451の金言全てが私には身にしみる。これを江戸時代の子供たちは意味も分からず暗記していたのだからすごい。とりあえず意味もわからず暗記して、徐々に意味も分かってくるという仕組みである。
この「金言童子教」、もっと早く出会っていたかった。少なくとも子供ができたら、昔の寺子屋のように教え込みたい。そうすれば、少なくとも学問の重要さを知り、書物の重要さを知り、また義を大事にし、品格を持ち、人生の正しい羅針盤となってくれるであろう。
「座右の銘」が必ず見つかるというタイトルだが、気に入った言葉が多数ありすぎて、逆に見つからない。
あえてあげるとすれば、
「三年勤め学ばんよりは、三年師を択ぶべし」
三年間1人で一生懸命学ぶより、3年かけて師を探したほうがよい。という意味である。
寺子屋では通学を認めた師にも責任があり、選んだ側にも責任が生じる。
この当時は先生の価値が明確だったのだと思う。
そのような師弟関係を理解していたからこそ、多くの若者たちは、「江戸で佐久間象山先生に教わるんだ」「勝海舟先生に教わるんだ」と日本国中から歩いて江戸に出てきた。師を求める。「師事する」という行為の大切さがここには記されている。現代の義務教育ではない感覚である。
挙げればきりがないが、これからの人生に役に立つ金言がたくさんあります。小学生にとっても20歳でも30歳でも60歳でも心に響くものがあるのではないでしょうか。
沁みますね〜
★★★★★
おっさんになったいまだからこそ、沁みる言葉がたくさんあります。
「釣を呑む魚は則ち、深く忍びざるを悲しむ」
これは沁みましたね〜。
いやぁ、わかっちゃいるんですよ。
でも、いっちゃうんです。
ホント、なんでこんな釣り針を呑み込んじゃったんだろうってw
呑んだあとに後悔するんです、はい。
思慮に欠けるというか……
そこには手を出しちゃダメだよ〜って頭ではわかっているのに、
まぁ、なんとかなるだろうと思っていってみたら、
やっぱりダメかぁぁぁぁぁって(涙)。
ま、そんな男の悲しい性はともかくとして、
いろいろ考えさせられる人生訓が詰まってます。
解説もわかり易い!
解説とセットで学べば、
飲み会でうけること間違いなし! かも。
至極の金言集!
★★★★★
ありがちな生き方の要領やノウハウではなく、
竹を割ったような日本人の原点ともいえる心構えや社会の掟が記されているのがよい。
背筋が正されるとともに、
職場でも家庭でも凹むことの多い毎日に勇気と力を与えてくれます。
給料が減ろうが、ボーナスがなくなろうが、
上司がイジワルだろうが、部下が言うことを聞かなかろうが、
妻が冷たかろうが、子どもが反抗的だろうが、
それがどうした! って気分に(笑)。
数多ある著書ではクールなイメージが強い齋藤孝氏も、
本書では自身の体験談やいつになく熱いメッセージをふんだんに盛り込みながらわかりやすく解説してくれているので、
好感がもてた。
頭から順を追って読まなくても、
気になったところだけ読めるのもありがたい。
読み終わったら、愚息にも読ませようと思います。
あ、もちろん妻にも。
夫として父親として少しは大事にしてくれるかな。
ちなみにいちばんグッときた言葉は、
「敵強くばこれに下るべし」=敵があまりに強すぎたなら、降参するがよし。
いや、ホントそのとおりでしょ。
出合ってよかった、というよりもっと早く読みたかった。
出世はムリにしてももうちょい、うだつが上がっていたかも!?