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風の影 (下) (集英社文庫)

価格: ¥780
カテゴリ: 文庫
ブランド: 集英社
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スペイン内戦の影 ★★★★☆
内戦の傷がまだ癒えないフランコ独裁時代のスペインを描いた作品。

古書を題材としたサスペンスということで、あまり期待はしていなかったが、予想に反してすごく面白かった。

サスペンスというよりは、悲しいラブストーリーだが、話が幾層にも重なり、それぞれが糸のように絡み合い、複雑な人間関係を描きながら、一直線に結末まで持っていく力強さは読ませる。

ただ、それぞれの愛の物語の描写が薄いような気もする。盛り込みすぎなのかもしれない。

この作家のほかの作品も読んでみたい。
これほどの作品に次、いつ出会えるだろう ★★★★★
2006年7月に日本版はリリース。既に37カ国で翻訳出版されていて、スペインの現代小説では史上空前のロング・セラーになっている。

作者のカルロス・ルイス・サフォンは1964年バルセロナ生まれ。勤めも全く辞めてしまい、外の世界がオリンピック開催に湧く中、小説を書き始めている。この見事な文体に到達するまで大変な苦労をしたようだが、そういった『影』は余り感じられない。むしろ『喜び』に満ちている気がする。平行線手法の魔術と訳者の表現している小説手法が実に見事で、過去と現在、フリアンとダニエル、ペネロペとベアトリスが見事に交錯する。そして実は100人以上登場する人物たちがどれも生き生きと動き、謎を深める。

特に下巻は、あまりの素晴らしいストーリー展開にまったく気が抜けず、一気に読んでしまった。これほどの作品に次、いつ出会えるだろうかと思う。ある意味この本はミステリーでもありながら恋愛小説でもあり、ファンタジーでもある。是非とも映像化して欲しい作品だ。
意見あり ★★★★☆
上巻最後、大勢の中から主要人物が浮き上がり、役者が揃った。
カラックスの身に起こった悲劇が、いよいよ明かされ始めるのか?
と、盛り上がって読み始めた下巻だが、あまりの悲惨さにヘコんでしまった。
なぜこんなにも陰惨なのか?
内戦、世界大戦、独裁政治という時代のせい?
先が気になり一気にラストまで読みつつも、最後まで立ち直れず、すっかり物語に置いてけぼりにされてしまいました。
過去の人々にも愛情や友情があった。
けれどもあまりに不幸な人、孤独な人が多すぎる。
もう少し誰か何とかしてやれなかったものか、どこかに希望はなかったのか、胸が痛みました。

一方、ミステリーとして、とても魅せられました。
部分的に語られる過去、見えたかと思えば覆され、死者と生きている人が現れては消え、複雑に絡みあって収拾がつかないと思いきや、破綻なく見事に全容が明かされる。
地の文も会話の読みやすく、とても好みです。
ダニエルと父親、フェルミン、その他の人々の絆は素晴らしく、ハッピーエンドを願ってやみません。
ただ、これは反則では?という箇所もあり。
それにラストがちょっと雑ではないか?

など、あれこれ言いたいことのある作品でした。


微妙 ★★★★☆
母を亡くした少年ダニエル。霧深い夏の朝、ダニエルは父親に連れて行かれた「忘れられた本の墓場」で『風の影』という1冊の本と出会う。本に引き込まれたダニエルは、他の著作を探そうとするが、作者フリアン・カラックスの本はほとんど焼失していた。フリアンについて調べ始めたダニエルは、次第に彼の生涯にまつわる謎に引き込まれていき...

上下巻読了しました。上下巻で評価すると、「上巻を読めれば、面白い」というところです。上巻の途中で嫌になって投げ出さなければ、下巻は一気に読めるでしょう。下巻は、テンポもよく、展開も速くてどんどん読めます。頑張って、最後まで読んでください、という感じですね。フェルミンとか、ちょっと都合よくないかなーという人物もいますが、戦時の暗さと上流階級の暗部とか社会のもつ嫌な影の部分も織り込まれいて、ラストまでぐんぐん引っ張ってくれます。最初からガンガン面白いというわけではないので、読書好きのひとならよいかも。でも、読書好きの人なら、「●●の方が面白かった!」とか、言いそうだなぁ...というわけで、微妙な本です。
本の存在意義 ★★★★★
上下巻、一気に読了。
ダニエルとフリアンの人生が錯綜する。
フリアンの人生を知った後、
同じように進んでいく時間が、
決して素敵な結末ではないことを予感させ、
読んでいて苦しくなりました。
しかし、その人生から目をそらすことはできません。

少年の成長、父と子の愛情とともに描かれる
文学、本の存在意義。

自分自身の読書体験を深く考えました。

この本をガイドに、バルセロナを歩いてみたいです。