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競作五十円玉二十枚の謎 (創元推理文庫)

価格: ¥861
カテゴリ: 文庫
ブランド: 東京創元社
Amazon.co.jpで確認
「若竹賞」獲得者は、プロデビュー前の倉知淳 ★★★★☆

◆「鮎川哲也と五十円玉二十枚の謎・解答編1」(法月綸太郎)

  のちに「土曜日の本」と改題された作品。

  作者自身認めるように、解答編と銘打ちながら、楽屋落ちと駄洒落に終始し、
  肝心の二つの謎(「なぜ本屋で毎週五十円玉を千円札に両替をするのか」
  「その五十円玉はどうして毎週彼の手元にたまるのか」)が解決されてません。


  これでは、卑怯だと評されても仕方ないでしょう。


  ただ、その楽屋落ちに、かつて覆面作家だったあの人が登場しており、
  その方の人柄ゆえか、結果的にほのぼのとしたホームドラマとなっていて、
  〈『頼子のために』のハッピー・エンディング・バリエーション〉という作者の言
  には、納得でした。

  
  ▽付記

   ちなみに、その覆面作家さんの解答は、コチラ。




魅力的な謎だけど ★☆☆☆☆
 謎はとても魅力的です。しかも実話!
 ああ、答えが知りたい。今更わからないのだから、いっそ答えを作ってしまったらどうかしら? もしかしたら、本当よりも魅力的な答えがみつかるかも……。
 そういった考えから、一般公募で回答を求めた競作短編集です。

 結論は。
 もちろん、答えなんてみつからないし、無理矢理作った答えもつまんない、ということです。

 つくづく、推理小説作家って、謎を解く人ではなく、謎を作る人なんだなあと思います。
(だから、謎めいた実際の事件の答えを、推理作家に推理してもらうという案も、ダメだってことです。)
答えは出ない ★★☆☆☆
 1993年に『創元推理』の別巻として出た単行本の文庫化。多少、手が入れられているらしい。
 若竹七海氏が実体験した謎を、7人のプロと6人のアマチュアが解き明かそうとしたもの。企画としては物凄く面白い。しかし、それで上手く行くのは小説の中だけのこと、というのが明らかになってしまった。結果は散々で、ろくな回答が寄せられなかった。本書に収められた作品も、腹立たしいほど出来の悪いものが多い。
 謎が難しすぎのだろうと思う。
 また、名だたる推理作家たちですら正答に行き着かなかったことを見ると、現実の謎とミステリの謎は違うものなのだと分かる。
これはこれで良いのかも ★★★☆☆
 出題者の若竹七海さんが若い頃に書店のアルバイトをしていた時に遭遇した事件を推理小説作家が回答編として書いた短編集。
 (1)なぜ本屋で毎週50円玉を千円札に両替するのか?
 (2)その50円玉はどうして毎週彼の手元にたまるのか?
 聞いてしまったら頭を悩ませてしまうほかないこの2つの謎に挑戦してみませんか?

 それぞれの回答は面白いんやけど、実質解決にはなっていないところが……良い……かも。アマチュアの作品も入っているので、読みやすいところと読みにくいところがあって、質としてはどうかと思うけど、この試み自体は好きやね。自分でも必死に謎について考えてしまったもん。とは言え、「若竹さんが好きでそういう手段で会いに来てた」としか考えつかなくて、冒頭の問題文の中でこの可能性が否定されてて、「うーん、ウチは推理のセンスないわ」と思ってしまいました。

 小説としては北村薫さんの『ニッポン硬貨の謎』を読んでいただいた方が良いのですが、この競作集はこれはこれで味があって、良いんじゃないでしょうか。

あなたの考える結末は。 ★★★★☆
定期的に店を訪れて50円玉20枚を千円札に両替えを頼む、という共通の問題についての解答編を集めたアンソロジーです。これは、問題編を書いた若竹七海氏が実際に体験したことなのだそうで、密室など、テーマが共通の短編集は読んだことがありますが、謎そのものが共通、というのは初めてでした。私は有栖川有栖氏の作品が読みたくて買ったのですが、一般公募の中から選ばれた作品ものっていて、なかなか楽しめました。最優秀賞に選ばれた高橋謙一氏の作品は、50円玉の謎解きに別に事件もプラスしてあってプロの作家の作品よりもおもしろかったです。

なぜ毎週同じ店で50円玉を千円札に両替えするのか、その50円玉はなぜ毎週彼の手元にたまるのか(おつりでもらう50円玉は必ず1枚だからです)、という謎に対して、自分ならどういう解答を作るだろう。ミステリーが好きな人、そんなことを考えながら読むのも楽しいと思います。

「若竹賞」獲得者は、プロデビュー前の倉知淳 ★★★★☆

◆「鮎川哲也と五十円玉二十枚の謎・解答編1」(法月綸太郎)

  のちに「土曜日の本」と改題された作品。

  作者自身認めるように、解答編と銘打ちながら、楽屋落ちと駄洒落に終始し、
  肝心の二つの謎(「なぜ本屋で毎週五十円玉を千円札に両替をするのか」
  「その五十円玉はどうして毎週彼の手元にたまるのか」)が解決されてません。


  これでは、卑怯だと評されても仕方ないでしょう。


  ただ、その楽屋落ちに、かつて覆面作家だったあの人が登場しており、
  その方の人柄ゆえか、結果的にほのぼのとしたホームドラマとなっていて、
  〈『頼子のために』のハッピー・エンディング・バリエーション〉という作者の言
  には、納得でした。

  
  ▽付記

   ちなみに、その覆面作家さんの解答は、コチラ。




魅力的な謎だけど ★☆☆☆☆
 謎はとても魅力的です。しかも実話!
 ああ、答えが知りたい。今更わからないのだから、いっそ答えを作ってしまったらどうかしら? もしかしたら、本当よりも魅力的な答えがみつかるかも……。
 そういった考えから、一般公募で回答を求めた競作短編集です。

 結論は。
 もちろん、答えなんてみつからないし、無理矢理作った答えもつまんない、ということです。

 つくづく、推理小説作家って、謎を解く人ではなく、謎を作る人なんだなあと思います。
(だから、謎めいた実際の事件の答えを、推理作家に推理してもらうという案も、ダメだってことです。)
答えは出ない ★★☆☆☆
 1993年に『創元推理』の別巻として出た単行本の文庫化。多少、手が入れられているらしい。
 若竹七海氏が実体験した謎を、7人のプロと6人のアマチュアが解き明かそうとしたもの。企画としては物凄く面白い。しかし、それで上手く行くのは小説の中だけのこと、というのが明らかになってしまった。結果は散々で、ろくな回答が寄せられなかった。本書に収められた作品も、腹立たしいほど出来の悪いものが多い。
 謎が難しすぎのだろうと思う。
 また、名だたる推理作家たちですら正答に行き着かなかったことを見ると、現実の謎とミステリの謎は違うものなのだと分かる。
これはこれで良いのかも ★★★☆☆
 出題者の若竹七海さんが若い頃に書店のアルバイトをしていた時に遭遇した事件を推理小説作家が回答編として書いた短編集。
 (1)なぜ本屋で毎週50円玉を千円札に両替するのか?
 (2)その50円玉はどうして毎週彼の手元にたまるのか?
 聞いてしまったら頭を悩ませてしまうほかないこの2つの謎に挑戦してみませんか?

 それぞれの回答は面白いんやけど、実質解決にはなっていないところが……良い……かも。アマチュアの作品も入っているので、読みやすいところと読みにくいところがあって、質としてはどうかと思うけど、この試み自体は好きやね。自分でも必死に謎について考えてしまったもん。とは言え、「若竹さんが好きでそういう手段で会いに来てた」としか考えつかなくて、冒頭の問題文の中でこの可能性が否定されてて、「うーん、ウチは推理のセンスないわ」と思ってしまいました。

 小説としては北村薫さんの『ニッポン硬貨の謎』を読んでいただいた方が良いのですが、この競作集はこれはこれで味があって、良いんじゃないでしょうか。

あなたの考える結末は。 ★★★★☆
定期的に店を訪れて50円玉20枚を千円札に両替えを頼む、という共通の問題についての解答編を集めたアンソロジーです。これは、問題編を書いた若竹七海氏が実際に体験したことなのだそうで、密室など、テーマが共通の短編集は読んだことがありますが、謎そのものが共通、というのは初めてでした。私は有栖川有栖氏の作品が読みたくて買ったのですが、一般公募の中から選ばれた作品ものっていて、なかなか楽しめました。最優秀賞に選ばれた高橋謙一氏の作品は、50円玉の謎解きに別に事件もプラスしてあってプロの作家の作品よりもおもしろかったです。

なぜ毎週同じ店で50円玉を千円札に両替えするのか、その50円玉はなぜ毎週彼の手元にたまるのか(おつりでもらう50円玉は必ず1枚だからです)、という謎に対して、自分ならどういう解答を作るだろう。ミステリーが好きな人、そんなことを考えながら読むのも楽しいと思います。