主人公のカミングアウトに共感できるか、が評価の分かれ目。
★★★★☆
県立高校で女子生徒が交通事故死、妊娠が判明。その相手・西原荘一にとって本気の関係ではなかったが、彼は「俺たちは愛し合っていた」と告白する。当初は英雄視されたものの、ある事件を境に容疑者として扱われるようになる。
推理小説としてのトリックは軽いほうですが、この作品では学園もの特有のラブストーリーにも重きが置かれています。行きずりの関係に溺れた行動の是非はともかくとして、荘一の言動には十代なりの筋が通っていて、読んでいて気持ちよかったです。
とくに「俺たちは愛し合っていた」という嘘をつき通すことになった経緯は、いかにも青春小説的。字面ではきちんと書かれているけど、それを文字通り「共感」できるかどうかに、この作品の評価がかかってくると思います。
タイトルに始まってタイトルに終わる
★★★★★
と言えるほど「同級生」というタイトルに深みがあり、読後じわじわっと心地よさが広がります。
筆者が「あとがき」にも記しているように、また、他レビューにも書かれているように、教師の「黒い」性質が「ドス黒く」描かれていますが、文中に登場するような教師に実際に出会ってきた私にとっては、とても共感できるものがあり、『生徒VS教師』という作中の大きな構図にグイグイ引き込まれました。
思春期や学生時代特有の精神状態の荒さやほろ苦さに少し立ち返りたい方には、とても引き込まれやすく共感できる、
「ミステリー性3、青春ラブストーリー7」といった作品だと思いました。
こういった作品が好きな私には東野作品の中でもかなり上位に入る作品でした。
もうひとつの恋愛はどこまで
★★★★☆
主人公ともうひとりの女性の関係は
お互いにどんな なのかな。
一回しか読んでないから 深くはわからないが
友達 片思い 相手の気持ちはいかに。
ラストは さわやかな きれいな女性 と の未来を
暗示しているのか?
否か。
先が
★★★☆☆
ある程度ミステリーを読んでいる方には途中でトリックや真相がわかってしまいます。
一気に読めてしまいますがやっぱり・・・って読み終わった後の感想です。
このパターンの中ではまあまあといった感想です。
悪くないが斬新さや余韻は期待しないほうが無難です。
序章と本編がつながらないかとおもいきや・・・
★★★★☆
序章で書かれていたことが、ほとんど本編と関連性がなく不思議に思っていた。
しかし、読み進めていくうちに序所にわかっていき、最後には「なるほど、こういうことだったのか」と唸ってしまった。
関連性のない話を並べて、これとこれは関連性が全くないと思わせておいきながら、最後にはちゃんとつながっているというのは、東野作品にはよく見られる。
このような作品を読むと、「この手のミステリー小説を書かせたら東野圭吾の右に出るものはいないだろう」と毎回思わされる(もっともミステリは東野圭吾以外ほとんど読んだことがないのだが)。
本作品はミステリとしてもとても面白いのだが、それ以上に「社会性」を取り入れているところが凄い。
「社会派作品」と呼べる作品は、「天空の蜂」「さまよう刃」などあるが、これらは「ミステリー小説」の要素はそんなに強くない。
しかし、本作品はミステリー小説の中にさりげなく、絶妙に含まれている。
これには「素晴らしい」という言葉以外浮かんでこない感じだ。
最近はよく東野作品が映像化されている。
それを見て東野圭吾に興味を持った人には是非読んでもらいたい。