名作です。
★★★★★
今は亡きマッシモ・トロイージの遺作です。
音楽も映像も美しい、そして心も洗われるようなストーリーです。
敗戦後のイタリア、娯楽と言えば映画しかない島の暮らし、漁が嫌いで漁師にならず、なんとか文字の読み書きだけができる青年がありつけた仕事は、わずかな報酬の島の郵便配達夫。
水道もひかれていない、その小さな島にやってきた、チリの著名な詩人との交流。
郵便配達夫が恋を勝ち取るために、詩人に詩を教わります。
主人公の持つ純朴な魂の美しさに心打たれます。やがて彼は「社会」というものに目を向け、自分が何をすべきか、目覚めていきます。
最初にこの作品を知ったのは、当時のオスカー受賞式を観て、ノミネート作品や主演男優賞候補の紹介VTRが流されたのがきっかけでした。いっぺんで、魅入られました。そして、公開時に映画館で観られなかったことを今でも後悔しています。
なんど繰り返し観ても素晴らしい映画です。
古き良き時代のイタリア映画の香りもいっぱいです。