ビートルズの弟分?
★★★☆☆
ビートルズの曲を当時もらって歌ったグループ(個人も)が結構いて、彼らもその一員。ブライアン・エプスタイン、ジョージ・マーティンといったところまで同じですから、かなりビートルズに近いところにいたことになる。ジャケットの後ろの写真は常識的にはマージー河のはずですが、残念ながらピーター&ゴードン、ビリー・J・クレーマー&ダコタス、シラ・ブラックほど日本では名前は残らなかった。
サウンドよりセンスが今イチ
★★★☆☆
リーダーが1966年に急逝したためにグループは解散とライナーにも書いているが、例え生きていたとしても活動はそれほど長くなかっただろう。他のリバプール組が60年代中期に差し掛かり急にトーンダウンしたような臭いがこのグループからもプンプン漂ってくる。つまりロックの変化についていっていないのだ。ビーチ・ボーイズがペット・サウンズ、ビートルズがリボルバーというように、確実にロックの新しい世界を築いたバンドのみが激動の60年代を乗り越えることができたという事実は何もここで説明する必要などないだろう。ところがこのグループの異常性は、ビートルズと近しいというだけで、なんの説得力もなく『ヒア・ゼア・アンド・エブリホエア』をカバーしてしまったという点だ。いくらビートルズと近しいといっても音楽的な必然性がなく、立場のみで『ヒア・ゼア〜』をカバーしてしまうセンスがフォーモストの右往左往ぶりを如実にあらわしている。「オレ達夏の海だもん」という理由で、チューブがビーチ・ボーイズの『神のみぞ知る』をカバーしちゃうとたまらんだろう。もし仮にこのグループがビートルズのリボルバーから『イエロー・サブマリン』をカバーしていたら、リーダーの急逝を私も惜しんでいただろうが……。
待望の再発!
★★★★★
リヴァプールから登場したビートルズの後輩バンドのベスト盤。リヴァプール・マナーともいうべき美しいコーラス、きりっとしたバンドサウンドが楽しめます。演奏力はかなりのものです。曲も正統派マージー調からソウルっぽいものまでこなす達者ぶり。しかしリーダーが若くして白血病で亡くなったために短期間の活動で終わってしまったという悲劇のバンドなのです。昔出たベスト盤も既に廃盤、数年前に出たデジパック仕様の1stも入手が難しくなっている現在、こんなありがたい再発はありません。内容もデジタルリマスター、大盤振る舞いの33曲、しかも安価で言うことありません! 買うなら今のうちですよ。