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告白

価格: ¥1,512
カテゴリ: 単行本
ブランド: 双葉社
Amazon.co.jpで確認
我が子を校内で亡くした女性教師が、終業式のHRで犯人である少年を指し示す。ひとつの事件をモノローグ形式で「級友」「犯人」「犯人の家族」から、それぞれ語らせ真相に迫る。選考委員全員を唸らせた新人離れした圧倒的な筆力と、伏線が鏤められた緻密な構成力は、デビュー作とは思えぬ完成度である。
原作者の言うように、初っ端だからこそ。 ★★★☆☆
帯にもあるとおり、メディアで反響を呼んでいる話題作。作者は1973年生まれの女性で本作がデビューとなる湊かなえ。

相変わらず引きの弱い私は最近までジャケ買いできず、今作をTVの情報番組で知りました。番組ではメディアに弱い私の心をぐいぐいと引き寄せるのです。次の日即購入しました(番組では51ページの件をかなり押してましたが、個人的には別の箇所の恐怖が良かった)

多くの方に読んでもらいたいので、内容には深く触れません。ですので大まかなあらすじを↓

中学で教師をしている女性の森口悠子はある事件をきっかけに教員を辞めると言い出した。最後の日、終業式を迎えて彼女は自分の受け持つクラスの生徒に自身の事、事件の事を話始めた。しかしそこには驚愕の事実が…。

小説は1〜6章で、すべての章が違う人間による視点で事件を中心としている。また基本1人称に近い形で話を進めていくので掛け合いはなく、全ての章を読み終えた段階で登場人物の本当の心理が分かる。

それほど珍しくないと思われている方もいるかもしれないが、はっきりいってこれはスゴイ!良いものは素直に良いと言いたい。作者のエネルギーがものすごい圧力で本の中に詰まっているのだ。誰しもが持ちそうな何気ない心情や価値観を上手く掬いだしている。人間の持つ狂気は本当に狂気なのか?復讐や殺意は何故起こるのか?作者なりの意思を明確に発信し突拍子もないような物語にリアルさを表現している。

残酷な描写(ここの意味を考えて欲しい)や映画を前提とした手慣れた作家のあざとさが無く、文章で読ませる引力が強い。コピーライターのごとく上手い表現や言葉を使う作家は多いが、これはそういった華奢な骨格は持たない。

是非とも手にとってもらいたいが、心してもらいたい。この作品を読むにあたってあまり免疫のない方や情緒不安定な方は頭の中で想像した内容をしっかりと準備しながら読み進めるべし!作者のイマジネーションはその数歩先を進んでいる。

ラストは個人的に少し疲れが出たかなと感じたが、これほどの作品もそうお目にかかれまい。『ガリレオの苦悩』を読んでいたが、途中で切り替えて数時間で読み終えてしまうほどの力作。1400円+税の価値は必ずある。
徹底したリアリズム ★★★★★
今さらながら、話題の作品を読んでみた。

本文中で「若きウエルテルの悩み」というゲーテの名著の名前がちらっと出ているが、本書の構成も「若きウエルテルの悩み」と同じで、語り手の告白が日記や書簡のような様式で描かれている。語り手の告白は俺たちに向けられたものではなくて、自分完結のため、或いは特定の人物へと向けて書かれている。だから俺たちは、それぞれの「告白」を、惹いては語り手の人生を、より客観的に俯瞰することができる。

先のゲーテの作品とこの作品が異なるところは、「若き・・・」が終始ゲーテ一人の告白で一貫しているのに対し、この作品は複数の人物の告白で作品が構成されているところだ。ある事件にまつわる話に関して複数の関係者が淡々と告白しているのを、第三者の視点で客観的に見れるのだ。そこで浮き彫りにされるのが、いかに人間同士の間で、水面下のすれ違いが起きているか・・・ということだ。すれ違いは、俺たちの日常で頻繁に起こっている。本人の意図と、それを受け取った人の解釈が全然異なっていたりする。一番厄介なのは、普通だったら気付かないような、小さなすれ違いだ。そしてそういった些細なすれ違いが、毎日のように起こっている。

中には、設定なり登場人物の言動が現実的ではない・・・そう解釈する人もいるだろう。だけど、本当の現実の世界は、そんなにうまく動いていない。合理的で的確な論理の展開に、なんのリアリティーがあるだろうか。むしろそういったことを求めるほうが、現実的ではないのではないか。
告白 ★★★★★
今更だけど告白☆映画にもなった有名作品。記憶に残る一冊。大好きー!
大満足な一冊 ★★★★★
 湊かなえのデビュー作にして第6回本屋大賞受賞のベストセラーの文庫版。
『下妻物語』『嫌われ松子の一生』などで知られる中島哲也が映画化を手がけたことでも宣伝されているが、自分もそれによりこの原作を知った。映画の主演は松たか子だが、別に彼女が好きなわけではなく、見出しのストーリーに惹かれたので読んでみたがこれが大当たりだった。
 物語は女性教諭森口の告白(独白)から始まる。自分の受け持つ生徒達に退職前の最後のホームルームという形で話をするわけだが、そこに自分の生い立ちやエイズを患った伴侶、死んでしまった愛娘の話と、彼女を殺した2人の生徒の事を語る。生徒に関しては本名は言わないまでも、他のクラスメイト達はそれが誰かを特定できてしまう。また、エイズを患った娘の父親が、冒頭で話に出した世直しやんちゃ先生≠セということも明らかになり、彼の血液を給食に出された2人の生徒の牛乳に混ぜたということを告げ最初の告白が終わる。
 ここまで一気に読んでしまい、もうこの時点でクライマックスとも言える展開に驚いたが、彼女なりのこの復讐が物語の始まりだということに不覚にもワクワクしてしまった。続きが気になって仕方がないという小説は本当に久しぶり。上記の世直しやんちゃ先生≠竍H市母子殺害事件≠竄サれを担当した弁護士、毒入りカレー事件≠ネど、現実とリンクさせた箇所がチラホラあったのも、読者を誘う上手い作り。

 犯人が誰かという事が個々の告白によって明らかにされるという類の話ではない。犯人達≠ヘ早い段階で 問題はそこに至る心情的な過程とその後の流れで、それらが多角的な視点で描かれているということ。
 なので以後も、森口先生の後任である熱血且つKY男性教師ウェルテルや少年A、少年B、自分の息子を溺愛してやまない少年Bの母親や、ウェルテルとともに引きこもりになった少年B宅に訪問する女生徒や少年Bの姉など、視点が変わる。
 単純なオムニバス形式かというと決してそうではない。確かに、個々の告白によって見えなかった部分が浮き彫りにはなるが、結果どこまでが真実か、どこからが告白者の脚色か、はたまた脚色はされているが当人にとっては真実か、それらが分からなくなってくる。しかし、森口の愛娘が死に、その後も悲劇の連鎖とも言える事態が起こったのは紛れも無い事実。この点は現実で流れるニュースと同じで感情を排した捉え方が必要なのかなと思った。
 そうは言ってもそれぞれの告白には様々な特色があり、1つ1つがその人の人生であるわけだからなかなかに重い。少年AにしろBにしろ、同情はできないまでも思春期特有の葛藤があり、少年Bの母親も近年目立つモンスターペアレンツという言葉では片付けられない子供への愛情があった。
 当初は誰もが愛娘を殺された森口側に寄って読み進めていくだろうが、次第に誰に感情移入すればいいか頭がついていかなくなる。個人的には少年Aに同情の余地ありと思ってきたところでのクライマックス、森口が最後に告げる言葉がそれをバッサリ切り、本当の復讐が何か明らかになるという非常に巧妙な作り。

 登場人物達がその後どうなったのかとか、結局誰が一番の被害者・加害者で何が正しく、何が悪いのか。そういった事は語られず、読者に考えが方が委ねられる。しかし、読み終わった後に何か重いものが確かに心に残る。放任的ではあるが、それこそが正しい道徳の説き方だとも思えるし、何事にも答えを出そうとする教室≠フ中では教われない事ではないだろうか。

 この良作を映画ではどういう風に味付けをしたのか、非常に気になっている。久々に公開前から期待している邦画である。
  *平成22年4月20日記述
斬新な作品 ★★★★☆
映画化された話題作。映画は見ていないのではっきり言えないが、森口悠子役の松たか子はなかなかのはまり役では、と思った。
タイトル通り、すべての章がある事件の関係者の『告白』で構成されている(いわゆる地の文が全くない)文体はかなり新鮮で面白かった。
ネタばれになりかねないので小説の中身については書かないが、最後まで一切の救いなく終わるラストといい、実験的な文体といい、少なくとも僕には買って読む価値のある本のように思えた。
中古で購入 ★★★★★
しかし状態は非常に良かったです。映画が有名で今更ですが原作を読みたくなりました。