合い言葉は『隣り合わせの』
★★★★☆
『灰と青春』
パラレル日本の少年兵モノです。
自衛隊モノと称するには、少々ファンタジー要素が大きいですが。
今巻のメインは演習です。
曹長どのが怒鳴り散らします。
恋の火花も散らします。
全体的に、隊のあっちでもこっちでも恋花が咲いてるようですね。
牧歌的な軍隊風景ですが、この心の交流が、やがて来るであろう凄惨な全滅展開を際だたせるための布石だったらどうしよう、とワクワク……
いえ、ハラハラしています。
少年兵モノにはありがちと言えばそのとおりですが、
こういう、『いずれ破られる事が約束されている平和』を楽しんでいる姿というのは、読んでいて儚さと切なさを感じさせるものがありますね。
そういう所をきっちり見せてくれる作品です。
この先実戦となれば、おそらく程度の大小こそあれ、何らかの鬱展開がくるのではないかと思われますが、
甘さと苦さを併せ持つ雰囲気の作品が好きな方にお勧めです。