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微睡みのセフィロト (ハヤカワ文庫JA)

価格: ¥630
カテゴリ: 文庫
ブランド: 早川書房
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やはり流石の出来。面白い。 ★★★★★
内容を紹介する説明などから、勝手に「マルドゥック・スクランブル」のプロトタイプ的作品かと思って読み始めたが、SF的な設定や主人公である捜査官パットなど「マルドゥック〜」を連想させるものはあるにせよ、嬉しいことに、作品としては全く別物だった。

この作品は、作者の最初期の作品であるにもかかわらず、その端々に、(多少の加筆修正などあるにせよ)後の作品とも共通する完成度の高さを感じさせる。その世界の構築の仕方、また、読んでいるこちらを違和感無くその世界に没入させる辺り流石だと思う。また、この作品自体、「マルドゥック〜」などと比べてもかなり量的にも少なく、その分全体があっさりと読むことが出来てしまう。途中の描写なども、実際にはかなりグロテスクな場面もあるが、読んだ後の印象としては非常に爽やかだと思う。ぜひ、この作品、世界での続編も読んでみたいと思う。
冲方スタイルの小結晶 ★★★★★
 傷・嘘・葛藤・歪んだシステム(世界)・再会と再生など冲方先生の聖書的なコンセプトスタイルが、
 ヒロインの存在によりハードボイルドになり過ぎず、シンプルにまとまった作品です。
 マルドゥックシリーズより、デビュー作の『黒の季節』の延長にあるシュピーゲルシリーズの原型といった方が近いでしょう。
 個人的に一番続編が読みたい冲方作品なので、今回ハヤカワ文庫に移った事でちょっと期待しています。
失われない悲しみと怒りを癒すもの ★★★★☆
 人類の一部が超能力フォースを発現し、旧来の人類サードとの大戦争が勃発。超能力を持つ人類を率いた女王が、イタリア半島と共に新たな衛星となり眠りについてから17年。双方の人類は、かろうじて協力体制を築き、世界政府準備委員会の下で各行政機関が機能していた。
 そんな状況の中、政府機関の大物が超能力により捕われる事件が発生する。この事件を担当することになった捜査官パットは、超能力者を教育する機関から派遣された少女ラファエルと共に事件の犯人を追いかけていく。

 大戦で妻子を失ったパットの負の感情は、政府機関によって心体に施された処理により、浮かんだとしてもすぐに相殺されてしまう。心の奥底にある、妻子を殺したフォースに強烈な怒りが薄れることもないが、それが行動を左右することは、政府機関の一員として絶対に起こりえない仕組みなのだ。
 そんな彼の下に現れたラファエルは、フォースの使い手としてトップクラスでありながら、むしろフォースの過激派を排し、フォースの行動を制限するサードの立場で行動する。彼女の力はパットの怒りを再燃させながらも、それを徐々に癒していく。
他では読めない次元を超えた戦い ★★★★☆
ちょっと他の本では、読めない戦いの模様が楽しめます。通常の人類に対して、五感以上の能力を持つ新人類が、次元を超えた攻撃を仕掛けます。描写が上手いためか、その攻撃はびっくりものです。想像を掻き立てるものでした。
ストーリーは単純なものですが、その分、戦闘の模様や、主人公達の葛藤、可憐さ等が読み応えのあるものになってます。
人に幸いあれと。 ★★★★☆
舞台は近未来。人類は通常の能力しか持たない「感覚者(サード)」と、超感応能力を持つ「感応者(フォース)」とに区別され、大きな争いを生んだ。
やがてその戦いが終焉を迎える頃、感応者の指揮者「女王」はイタリア半島と共に、「黒い月」となって天に昇った。

その17年後―――

17年前の女王との大戦で妻と娘を失い、感応者への憎悪を燃やしながらも、所属する組織「世界連邦保安機構(マークエルフ)」にそれを封じ込められた感覚者の捜査官、パット・ラシャヴォフスキーは感応者によって行われた犯行の捜査に当たることになる。

元ヴァチカン奇跡局が中心となっている感応者育成組織、「ヴァティニシアン」からの使者、ラファエル・リー・ダナーと捜査を続けるうち、パットは事件の真相、そして自らの所以を知ることになる―――

作・冲方丁(うぶかたとう)イラスト・伊藤真美のゴールデンコンビが贈る、書き下ろし中編。

想像力をかきたてる文にキャラの心理描写もきちんと描かれていて、読み応えはそんじょそこらの長編よりバッチリです。
SFハードボイルド、「微睡のセフィロト」是非ご一読ください。