途方もない旅とその結末と新たな夢
★★★★☆
多くの人々が「数」に魅了されライフワークとし生きるその姿を描いています。
圧倒されるその時間のスケールと「数」と世界の時代の流れが絡み合い、壮大なスケールで描かれています。
何度も鳥肌が立つ場面があります。学ぶべきことが数学以外でもとにかく多い。
数学の知識がなくとも多少頭を回転させれば楽しめ、数学という学問の神髄を垣間みることが出来るでしょう。
そして、数学に興味を示している人はこの分野に興味を持つ登竜門と言った感じではないでしょうか。
数学とはただの計算ではなく、そこから学べる物はとても多い。ということを
再認識できるとても良い作品です。
こういったロマンを教育の場で生かすことが出来れば最高の教育なんでしょうね。
数学を嫌いになった私が、改めて数学を好きにさせてくれた一冊
★★★★★
公文式で計算ばかりが異様にできるようになっていた私が、中学時代に図形でつまづき、そのままずるずると高校時代も数学嫌いで通してきました。しかし、本書を読み、改めて数学の面白さを再認識させられました。
後半は、中高生には難しいかもしれませんが、両親や先生方の手助けがあれば前半部などは十分理解できる内容だと思います。私も、塾で勉強を教えていた際に、2人の生徒さんに買ってプレゼントしました。2人とも、楽しんで読んでいるようでしたので。
これぞ不朽の名作と呼ぶに相応しい
★★★★★
本書を読んだ者は、魔法のような文章を体験するだろう。そして驚き、感動し、楽しむことになるだろう。間違いなく凄い名著である。
魔性の[フェルマーの最終定理]もついに人類に屈した。20世紀も終わろうかという頃になって、ワイルズという一人の天才が、コツコツと25年間かけて証明に成功したのだ。実に素晴らしい。
ところで、私は、それがどんな証明なのか知りたくて仕方がなかった。
しかし、この証明が500ページを越える大論文で、しかも数学の最先端の知識がギュウギュウに詰まったものらしく、我々一般人はそのエッセンスを汲み取ることすら難しいという。
本書は、そのフェルマーの最終定理(最終予想だったが)を、ワイルズが証明するまで、またフェルマーの最終定理をめぐる歴史のお話や逸話、そしてワイルズの証明に寄与した多くの数学者の物語と、ワイルズがどのように証明をしたのかを、実に平易な文章で説いてくれるのだ。非常に難解な話題なのだが、中学1年生の数学をマスターしていればついていけるのだ。そしてワイルズの証明を、理解とまではいかなくとも、そのエッセンスを多いに汲み取り、味わい、気持ちを共有することができてしまうのだ。
まさにサイモン・シンの魔法である。
とにかく、なんといっても面白い。そして「訳者が訳しながら涙した」といわれる感動まで詰まっているのだ。信じがたいことに、これは誇張ではない。実をいうと私も読みながら涙をこぼしてしまった。
まさか数学の本を読んで、感動のあまり涙することになるとは思いもしなかった。
改めて主張する。これは凄い名著である。これほどの名著にはそうそう出会えないと思われる。ぜひ多くの人に読んでもらいたい。心からそう思える1冊だ。不朽の名作と呼ぶに相応しい。
数学はかくもドラマチックで美しい
★★★★★
日本語訳は2000年1月リリース。文庫化は2006年6月1日。1967年イギリス生まれの著者サイモン・シンは英BBCのプロデューサで、元々TV番組として1996年この作品の元を作成し、1997年この本で作家デビューしている。そういった経緯からかこの作品は非常に映像的で分かりやすい。
フランスの数学者ピエール・ド・フェルマー(1601年 - 1665年)には、ディオファントスの著作『算術』を読みながら本文中の記述に関連した着想を得ると、狭い余白であるために証明を省略した。この省略された証明に挑戦する数論数学者たちの物語だ。しかし物語はそこから始まらず、フェルマーの最終定理の基となっているピタゴラスの定理からスタートする。そして、
1.フェルマー予想が偽である(フェルマー方程式が整数解をもつ)と仮定する。
2.この整数解からは、モジュラーでない楕円曲線を作ることができる。
3.谷山・志村予想が正しいならば、モジュラーでない楕円曲線は存在しない。
4.矛盾が導かれたので、当初の仮定が誤っていることとなる。
5.したがって、フェルマー予想は真である。(背理法)
に到達するまでの間、どれほどの人たちがこの問題に関わっていたが、実にドラマチックに描かれている。最後にアンドリュー・ワイルズが解読した1993年6月23日以降のミスを再度証明し直す部分が最も感動的だ。翻訳も文庫版では以降の発見事実も付加され完璧と言える。最高のドキュメンタリー作品だ。
面白いです。
★★★★★
数学者になればよかったと思うほど面白いです。
ごみ処理の問題と同じくらい難しい問題がたくさんあることを知りました。