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諸子百家 (講談社学術文庫)

価格: ¥945
カテゴリ: 文庫
ブランド: 講談社
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通説の書き換え ★★★★☆

諸子百家について、旧来の説(一例として、

貝塚茂樹氏が大昔に書かれた岩波新書の内容)は

一通り承知している、という人が読むと、新たな解釈が

色々と書かれていて、発見の多い本だと思います。


従って、この本にいきなり取り付くよりも、百科事典に

載っているぐらいの予備知識を得た上で読まれた方が、

実りが多いと思います。
それほど面白くなかった ★★☆☆☆
諸子百家 [図解雑学] (図解雑学) 諸子百家についての図説解説書。
 本書は、いわゆる儒家をはじめとした諸子百家の主な学問の、成り立ちと基本的な考え方を完結に纏めた書籍だ。
 実際に、論語や孟子、荀子、韓非子、墨子に関する書籍を目にした人には不要であり、これから諸子百家を学ぼうという人には、どの思想から学ぶかを占う材料としての使い道のある書籍かもしれない。

 本書で得た情報で一番有意義だった内容がある。孔子という人間が聖人君子ではなく、自分の野望を遂げることができずに、在野の塾講師として生涯を終えるという、実に残念な人生だったことは知っていた。しかし、孔子は儀礼のプロフェッショナルのふりをしておきながら、実際はそういう知識もなく、有職故実に詳しいわけでもなく、実際は就職し、出世するためのハッタリだったということ。

 後世に伝わる孔子の聖人君子ぶりは、虚飾が多く、実際には、出世欲の巨魁だった孔子。それでも論語や儒教はその後の東アジアで大きな影響力をもっていたのだ。不思議なものだ。
駆け足で要点を押さえるのに最適 ★★★★☆
比較的新しい資料も踏まえ、図解を交えて簡易に諸子百家の特徴を抑えた本。
ページ数に加えて絵図が入る関係もあって、一つ一つの思想家についてはさほど詳しい記述が割かれているわけではなく、有名どころは抑えられているものの、マイナーな思想家は名前だけに留まっている。
しかし文章は平易で読みやすく、新しい資料からの情報も踏まえているので、古い作品にはない情報も見られる。また、とかく思想家をよく書き上げることだけに終始しがちなこの手の本にしては異色とも思えるほど、思想家の抱えた問題点や矛盾にも触れており、切り口が新鮮。特に孔子を聖人視しがちな既存作とは一線を画し、孔子に始まる儒教の矛盾と実像を捉えようとした感がある。
しかし視点を変えた考察と新鮮な情報がこの分量の中に多々盛り込まれている分、中国古典思想初心者がこれを読んで一発理解できるかとなると疑問が残る。「これ一冊で諸子百家を分かったことにする」にはやや不安。
どちらかと言えば、既に初歩的な知識を抑えた人が、更なる勉強のための整理、或いは楽しみとして読むのに適しているのではないだろうか。
中国古代思想についての最新の概説書 ★★★★★
最近の出土資料の研究成果を踏まえた、東北大学大学院教授・浅野裕一氏による諸子百家についての平明な概説書。従来の中国古代思想史は、先秦の書物であることを疑って漢代以降の成立だと主張してきた擬古派の学説が通説化している例が多かったが、郭店楚簡(1993年)や上博楚簡(1994年)と呼ばれる竹簡が発見されたことによって、この擬古派の考え方は大幅な書き換えを迫られている。これらの最新資料を踏まえて、儒家・墨家・道家・兵家・法家の思想についての新発見や新見解が随所に盛り込まれており、今後諸子百家の思想を考える上での重要な入門書の一冊となるだろう。ただ、恵施・公孫龍などの名家や縦横家、陰陽家などは紙数の都合で収録できなかったらしく、その点は残念であるが、廉価に最新の研究成果に触れることができる点を評価し、星5つとした。
近年出土の古資料の研究成果を反映した概説書 ★★★★☆
東北大学教授の浅野裕一氏が、近年出土・発見が進む中国古代の出土資料の研究から諸子百家の時代の思想の捉え方について見直しを提起している書として位置付けるのがよいであろう。諸子百家の著作については、伝承通り先秦の書とする信古派、それを疑って秦漢以降の書とする擬古派、両者を折衷する釈古派があるが、新出土資料は擬古派の主張を否定しているとしている。学会においては疑いをもって臨む擬古こそ、科学的学問としてきたケースが多いので浅野氏の主張通り見直しをしなければならないであろう(このあたりの実情は日本の古代史も同一である)。とりあげているのは郭店楚墓竹簡など新資料が多くなり最も見直しをしなければならない老子を筆頭に、荘子、楊朱、孔子、孟子、墨子、恵施、公孫龍、鄒衍、孫子、韓非子とあまり知られていない(廉価な解説書がでていない)思想家も含んで明解に解説している点は有益であるとともに、紙数の関係とはいえ荀子や列子、特に荀子への言及がないのは韓非子の思想を考える上で残念である。ただし、浅野氏の説明はいつも明解ではあるが、『儒教ルサンチマンの宗教』を読んだ時に感じた、断定的な解釈の仕方など気になることもあるので、その妥当性については保留しておきたい。星4つとしたのはそのためであるが、本書が今後の中国古代思想を考える上で重要な視点と研究成果を提供していることは確かである。なおこの書以降の成果については『諸子百家「再発見」』(岩波書店)がある。