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ブランメル閣下の華麗なダンディ術―英国流ダンディズムの美学

価格: ¥1,890
カテゴリ: 単行本
ブランド: 展望社
Amazon.co.jpで確認
手頃なブランメル&ダンディズム理解への手頃な入門書。 ★★★★★
著者の山田 勝 氏は、惜しくも2004年3月に世を去られた。
氏は生前より、日本におけるダンディズム研究の第一人者で、本書以外にも
ダンディズム関係の著書を残していかれた。

しかしそのどれもが、決して堅苦しいものではなく、日本では「単なる気障」や
「プレイボーイ」として誤解されがちな「ダンディ」と言うものを、素人が
いきなり挑んでも分かりやすく、面白く読めるものであり、
「ちょっと興味がある」程度の読者にとって、実に親切な「ダンディズム入門書」
であった。

本書もその例外ではなく、現代人にとっては度肝を抜かれるような、
様々なエピソードを紹介しながら、その歴史的背景も交えて、なじみやすい、
やさしい筆致でブランメルが描き出され、
「ちょっと、ブランメルってどんな人だったのか知りたくなった」人や、
「その当時(19世紀初頭)の社交界ってどんなだったの?」といった、
歴史・文化面から興味をもたれた人にとっても、最適といえる内容である。

ただそれだけに、「ブランメルの美学に耽溺したい」と言うような方には、恐らくは
向いてはいないだろう。
そういった方には、それなりの本を探されることをお勧めする。
確かに装丁は華麗とは言い難いが、それも「ダンディズムを披歴するための本」
ではないのだから、勘弁していただこう。

その代り、例えばグラナダTV製作で、日本でも好評を博した
ドラマ「シャーロック・ホームズの冒険」や、
森 薫原作の「エマ」から、英国の文化に興味をもたれた方には、決して失望させない
事をお約束できる。(ちなみに、山田氏の著書にはホームズ関連のものもある。)
本書はイラストも豊富で、ヴィジュアル的にも当時の文物が理解しやすくなっている。
ブランメルの時代は、ホームズやエマの時代からは数十年の隔たりがあるが、
彼らの時代と比較してみるのも面白いだろう。

さらりと読めて、なおかつしっかりと勉強になり、また手頃な資料としても役立つ
この本を、是非お勧めする。

その本自身もダンディであるべし ★★★☆☆
まず題名の「ブランメル閣下」で引きそうになるし、表紙の肖像もかなりイメージを損なう。そう、この手の必ずしも史実だけで事足りる訳では無い伝記(?)は、読者に伝えるイメージを如何に喚起するかが眼目では無いでしょうか。誤解を恐れずに書けば、人物を再創造することが要求されると思います。作者は、ダンディものを何冊か物しているようですが、本書は、どちらかというと当時(19世紀の初頭)の社会や風習等の周辺の史実という勉強にはなるけれど、ブランメル自身に想像を羽ばたかせたくなる欲望を、余り刺激してこないという点で、物足りなさが残ります。

当Amazonで‘ダンディズム’で検索すると見つかる、生田耕作著の文庫本の方が、活き活きとブランメルを髣髴させる点で、むしろお勧め。

世俗を眼中に置かない伊達者の書名に「閣下」を入れたり、写真など無い時代の霧に霞む伝説的人物を語るのに、冒頭で触れた不適切な肖像画を表紙に使うのは、自己矛盾だと考える見識を持つのが、作者なり出版社なりのダンディズムではないかと思い至ると、本書の評価も自ずから決まるのが道理でしょう。