千砂とポン太の関係が修復したと思ったら、一難さってまた一難。ポン太の前になぞの家出少女が現れポン太を誘惑する。さてそれはよいのだが、その少女が千砂の生き別れた父親の義理の娘という展開はちょっとご都合主義という気がしないではない。その少女とポン太との関係に気を揉む千砂の精神的葛藤もやや掘り下げが浅く、最後にその父親が現れ一騒動起こすなど、ストーリの運びもやや強引で無理がある。1~4巻まではかなり自然に流れていたのだが、話の展開に若干苦慮しているような感じも伺える。
ただ、ポン太が千砂を勝手に美化したり、千砂がそれにこたえようと自分を繕ったりするところがあって、二人が未だ表層的な部分でしかつながっていないことを感じさせる。今後、二人が肉体的な部分を越えていかに深くつながってゆくのか作者の手腕に期待したい。