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「時間」を哲学する (講談社現代新書)

価格: ¥777
カテゴリ: 新書
ブランド: 講談社
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中島時間論への恰好の入門書 ★★★★★
 哲学者中島義道氏による時間論の入門書である。新しい時間論を期待している哲学ファンにとっては物足りない内容かも知れないが、時間とは何か、哲学するとはどういうことかを知りたい一般読者にとっては恰好のガイドブックとなっている。
 中島はまず現在と過去とのあいだに横たわる絶対的な断絶を指摘するが、そこには大森荘蔵の時間論の影響が色濃く見られる。大森が他の哲学者からの引用を極力排除したのとは対照的に、中島は哲学にとどまらないエリアから種々多彩なサンプルを援用する。その論域の広さを博識と感じるか煩わしく感じるかは意見の分かれるところであろう。
 中島は時間の原型を過去に求め、現在や未来はそこから二次的に派生した制作物に過ぎないと説く。記憶が重要な位置を占める中島の時間論は経験に忠実であり、例えば植村恒一郎や入不二基義の時間論などと比較すると感情的湿度の高いものとなっているが、これは時間論に限らず中島哲学最大の特徴と言えるかも知れない。
 文体をですます調に統一したり、邯鄲の夢という中国の故事を冒頭に置いたりと、哲学初心者に向けた配慮が随所にうかがわれる。新書版という制約の中で分かりやすさを損なうことなく、これだけの内容を盛り込んだ手腕を高く評価したい。
驚くべき中途半端本 ★☆☆☆☆
荘子の「胡蝶の夢」の話から始まるという
凡庸な入口に不安を覚えた。

そのあと、ベルグソンやハイデッガーなど、
世界的哲学者たちの時間論に次々に難癖をつけ、
それ以上の省察を自分は得ているという口ぶりで、
本文が170ページほど進む。

著者は、最後の40ページで、ようやく持論を話しはじめる。

しかしそれは理論の展開と呼べるようなものではない。

最後に驚くべきことに、論旨は宙づりなったまま、
とつぜん、それまで一度も言及されていない
マルチン・ブーバーの『我と汝』が強引に引用され、
それを結論めいたものにして本文が終了する。
*この引用が、ラストの1ページ前!


これでは、時間についての鼻持ちならないたわごとにつきあってしまった
ということ以上の感想は持ちにくい。


講談社現代新書は、ときおりこういった
書物としての呈を成していない水準の物体(他には『エロイカの世紀』など)を
平然と世に送り出してしまうので、要注意だという思いを強くした。


「印象時間」に対する疑問 ★★☆☆☆
野矢茂樹氏の『無限論の教室』を読み、時間についての哲学にはまってしまいました。
その次に読んだのがこの本でしたが、読む前にタイトルから想像していたのに比べ、正直期待はずれでした。

また、ときに彼の主張している内容が間違っているのではないかとさえ感じられました。
例えば第3章で提唱されている「印象時間」の概念についてですが、1時間に感じられた30分と1時間に感じられた2時間では、「客観的時間」こそ違えど「印象時間」では同じ「1時間」であると彼は主張します。そしてこの2つの時間の感じ方は長さとしては同じだとして平面グラフ上の同一軸に描くことができるとしています。しかし本当にそうなのでしょうか。前者(30分)と後者(2時間)は、どちらも同じく「1時間」であるように感じられたとしても、その2つの感じ方まで同じなのでしょうか。「これが1時間だ」と思う感覚それ自体もときに変化しうるもので、同じ「印象時間1時間」でもその感覚までも同じであるとは言えないのではないのでしょうか。感覚にはものさし(単位)がないのでそれを比較することは不可能なのではないかと思いました。仮にその感覚を「印象時間」の単位に置き換えたとしても、その置き換え方が違えば複数の感覚を比較することはできないと私は思います。

他にもいろいろ述べられており、私個人としては彼の主張に対しときに賛成、ときに反対できるといった感じでした。
彼の考えを学ぶ、というよりは彼の考えから学べた、という意味で読んだ価値はあったかもしれません。
時間について ★★★☆☆
時間について過去の先人がおよそどのように関わってきたかが概観されている。新書として、そこそこの内容だと思う。時間について、本気で考えてみたい人には読書案内程度にしかならないと思う。
哲学に興味を持ち始めた人に。 ★★★★☆
時間とは何かということを、なるべく平明な文章でわかりやすく説いています。よくある専門書になると過去のの偉大な哲学者の引用からあーだの、こーだのと理論を展開することが多いのであるが、本書においては著者の方向性がしっかりしているため、そういう細かい部分は置いておいて、どんどん先に進みます。

時間というものに興味をもった人、哲学というものに興味を持ち始めた人にはお手ごろな書物だと思います。
この本を読めば、自分なりに時間というものをどのように捉えていくかの道標になると思います。