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空の中 (角川文庫)

価格: ¥740
カテゴリ: 文庫
ブランド: 角川グループパブリッシング
Amazon.co.jpで確認
白鯨が本当に存在しそうな気がする有川マジック ★★★★★
クライマックスで不覚にも涙を浮かべてしまいました。

「塩の街」の次に読み、基本ラインは一緒なのですが、
白鯨という一般素人には想像もつかぬ設定と、オープニングで
チラッと触れる、登場人物たちのバックボーンのキッカケになる
事故の挿入に、先著同様、一気に引き込まれ読みきってしまいました。

著者が上手いなぁ、と感じるのは
メインキャストだけではなく、あくまでさり気なく
サブキャストの背景も掘り下げて体温を与えていること。

だから作品に立体感が生まれ
読者に三次元の想像する余地を贈ってくれる。
そして、それが著書を読んでいるときの”至福のとき”へと繋がっていくのです。

さぁ残すは「海の底」。
早速、読むぞ!!!!!
心がスカーッと晴れ渡る作品! ★★★★★
おススメです!すごーくおススメ!
まだ日本には存在しない女性イーグルパイロットをメインキャラクターの1人にしています。
航空ファンの人も、そうでない人も楽しめます!
プロローグから引き込まれる事間違いなし。

F15パイロットの武田光稀(男勝りで芯の強い女性)
事故調査員として派遣された春名高巳(普段はヘラヘラしているけれど、度量の大きな男性)
の2人が謎の生物に遭遇し、問題解決に到るまでに少しずつ恋心を育てていく様子が素敵過ぎます!
(この2人のその後は「くじらの彼」に番外編として収録されています)

謎の生物との会話は少し頭を使いますが(勢いよく読むとこんがらがる)頭休めと言うかのように、ちょこちょこ出てくる高巳と光稀のやりとりにキュン!

謎の生物もやたら可愛いです。
顔があるわけでも、尻尾があるわけでもないのに可愛いと思わせる生物を書ける有川さんって凄い。

特別書き下ろし『仁淀の神様』は電車で読まない方がいいです。
涙と鼻水でえらいことになります(笑)
宮じいという川漁としているじいちゃん(本編でも要になる人)の言葉ひとつひとつが響いて、とても温かい気持ちになりました。

ハラハラして、キュンとして、ホロリ…
大満足間違いなしです!
是非是非読んでみてください!!
序盤で読むのを諦めた ★★★☆☆
全て読んでいないため、点数は3に設定。

蛇足が多く、キャラが立っていない。
序盤はライトノベルの悪い手本のような本。
とても中盤まで読み進める気力は無く、途中で読むのを諦めました。

具体的には以下のような点が気になります。
・描写が遠まわし
・アクションの1つ1つに対して主人公からの説明(感想?)が入るため、ストーリーが進まない
・優秀な自衛隊員という設定の人物が、ヒステリックで陰気、馬鹿っぽい発言を連発する

レビューの評価は高いのですが、続きが全く気にならず、最後まで読もうという気をおこさせない本です。
ただ、ライトノベルへの耐性が高いのであれば楽しく読めるのかも。
コミュニケーション論や異文化論、組織論としても興味深い ★★★★☆
レインツリーの国 (新潮文庫 あ 62-1)を興味深く読んで、作者有川浩を知りました。レインツリーでも、かなり意表をつかれたけど、本作品もなかなか奥の深いもので、引き込まれました。

本作品は、SFのかたちを取っています。しかしなかなか重層的で、言語や文化どころか、生命体としての存在様式の全く異なる、しかし明らかに「生命」であると認識される存在とのコミュニケーションの難しさが、とってもリアルに描写されて(ちょっと冗長でもあるんだけど)面白かったです。
当然、全く異なる存在様式の生命体とのコミュニケーション、さらにいろんな意味での接触があるわけだから、文化的な、あるいは生存様式のと言うかの、衝突が起こります。
これがなかなか冷徹と言うか、厳しい(サラッと書いてあるけど)。

さらに、これらの事態に対する、我が国の安全保障上の体制、組織論などに話が及び、軽いSF、あるいは若者の恋愛ものの形式をとりつつも、奥の深い相当錯綜とした要素を含んでいます。
このため、確かに事態はそうかも知れない(だから、リアル)なんだけど、ちょっとタルイ、と言う部分がなきしもあらず。
もうちょっと圧縮できた気はするんですが、ま、そのあたりのちょっとしつこいコミュニケーションの齟齬などの部分は軽く飛ばすなりして、とにかく、終盤まで、ドドーっと読んでいきましょう。
魅力的な登場人物 ★★★★★
大人が読んでも満足できるライトノベルでした。中高生向けの軽いSFものかと思って読み始めると見事に裏切られます。突如現れた【白鯨】と呼ばれる巨大な円盤状の不思議な生物を巡ってのストーリーなのですが、話の展開は現実離れしておらず、とてもリアル。
登場人物も魅力的です。社会人なりたての【白鯨】対策本部主要メンバーである高巳は、軽い口調で鋭いことを言い、物語をどんどん前へ進めていきます。読んでいるほうもそれにつられるように話に引き込まれていく筆力は見事でした。高校生男子と女子、20代の男性と女性。W主人公ですので、読む人の年代や性別に合わせて感情移入できると思います。