ちょっと面白い話。
★★★☆☆
短編6編ですが、日本独自ヴァージョンとして集められた短編集だそうで。
恐怖・ホラーを共通項として持つ作品を選んだそうですが、個人的には「モンキー療法」も好きなんですが、
訳者が「箸休め」として入れたという一番短い作品「終業時間」が、一番馬鹿らしく・一番笑いました。
「思い出のメロディー」もちょっと怖い感じ。
あとの3編(表題にもなってる「洋梨形の男」も含めて)は、あんまりピンと来なかったです。
自己矛盾の難しさ
★★★★☆
マーティンはホラーに対し
「危機に瀕し苦悩する人間の肉体と精神と魂についての、終わりない自己矛盾に悩む人間の心についての物語なのである。優れたホラー小説は、歪んだ暗い鏡に映ったわれわれ自身の姿を見せてくれる。」と語っている通り、
この本に収録されている6篇も主人公たちは心の奥に棲みついている恐怖と怒りを覗きこんでしまう。
よって、6篇の主人公の心の奥に共感出来ない作品は、こちらにホラーが伝わってこない。
個人的には食欲とダイエットというテーマを、ユーモアと恐怖を紙一重に表現した「モンキー療法」が最高です。
人生の敗残者達をそっと労わるような哀感が漂うホラー秀作集をご堪能下さい。
★★★★☆
「氷と炎の歌」シリーズの大ヒットによりファンタジー界の第一人者として不動の地位を築いたアメリカのベテランSF作家マーティンのホラー色の濃い作品6編を集成する日本オリジナル秀作中短編集です。本書を読み終えて心に残ったのは、勿論ホラーとしての怖さはあるのですが決して残酷な物ではなく、(冗談の様な一編を除いて)人生に敗れた人々をそっと労わるような優しく悲しい哀感が漂う結末の余韻です。
『モンキー療法』おデブのケニーが痩せようと決意し友人から教わった‘モンキー療法’は、とんでもなく恐ろしい内容だった。男が味わった苦労の末の結末に貰い泣きしてしまいます。『思い出のメロディー』学生時代の仲良し四人組の一人メロディーが三年振りに主人公テッドの元へ訪ねて来た理由とは?我儘な人間の性格は永遠に変わらない物ですね。『子供たちの肖像』作家の老人に画家の娘が送って来た肖像画には奇妙な仕掛けが施されていた。絶縁した父娘の確執の理由とは?ラストに生きながら人生に絶望した男の悲哀が漂います。『終業時間』人間を変身させる護符が無害な動物の内は良かったのだけれど人類滅亡となると・・・・落語の様なオチに思わず笑ってしまう破滅SF小咄です。『洋梨形の男』都会の暮らしの中で娘に襲い掛かる悪夢の様な‘洋梨形の男’の恐怖。追い詰められた娘の精神が徐々に崩壊して行き、遂に想像を絶する戦慄のラストを迎えます。『成立しないヴァリエーション』学生時代にチェスの団体戦試合の一員として惜しくも敗れた男が、富豪になって昔の仲間3人を邸宅に招き、それぞれに真剣勝負を挑む。時間旅行を題材にしたSFでもあり、著者が得意な一級のチェス小説です。旧友への憎しみの念が火花を散らす強烈なサスペンスに心を掻き乱され、やがて訪れる意外なラストに感動が込み上げ読後心が晴れ晴れとします。人生の敗者達をそっと労わる様な哀感が漂うホラー秀作集をご堪能下さい。
駄作集
★☆☆☆☆
味わいがありません。
流し読みにも値しない本であります。
マーテンは長篇を書いては並ぶもの無しでありますが、短篇はと言うと駄作揃いである。
おれが読んだらね、つまんねっえーかったべ。
ホラーじゃなくて、ギャグね。
もっとシールィアすな短篇を書きゃあ、ね。マーテンも短篇の名手として名を馳せること、できそうなのになあ。
違うかよ、ベイビー。おっと間違った、オールド・スポート。
マーティンのホラー短篇集
★★★★☆
マーティンのホラー寄り作品を集めた日本オリジナル短篇集。
ホラーという味付けがされていて、舞台は現実世界だけど、扉を一歩入れば、そこはファンタジーだったりSFだったり。ベッドに潜り込んで、自分だけの世界を創造する子どもにとって、ジャンル分けは意味がないのと同じように。芸達者でどれもツボを押さえているけど、特に「子供たちの肖像」「洋梨形の男」「成立しないヴァリエーション」がお気に入り。
今年のベスト短篇集の1冊かなぁ。