私は小林泰三氏の作品が大好きでした。
氏のこれまでの著書は全て読んで来ましたが
しかし、これは酷い．．．
過去の小林作品を期待して購入すると確実に
期待はずれになると思います。
こんなシリーズを何巻も続けるくらいなら
短編をいくつか書いた方がいいのでは？

この作品は小林泰三（やすみ）先生の第二人格小林泰三（たいぞう）のデビュー作である。
そうに違いない！
小林先生独特のグロ描写は一切鳴りを潜め、あの淡々とした論理的語り口もどこか違う。なんか単に間抜けなだけの印象。
小林先生が本業で疲れ果て、商業主義に走ってみようかと奮起しラノベ書いてみたら
盛大にこけました、見たいな作品。
つまらなくは無い。けど小林先生の他作品のファンであるなら皆一様に「これマジで
小林先生の作品？」と首を傾げてしまうに違いない。
質・量（ページ数）全てにおいて小林先生作家人生における黒歴史になることは必至！
ある意味稀有な作品なので皆、とりあえず買っとけ！

表紙から予感はしていたのですが、ライトノベルでした。
グロい描写を取り去ったらスニーカー文庫で出せそうです。
むしろそっちで出した方が良かったかもしれません。

終わり方もまだまだ続くよ！っていう感じだったので、
シリーズものになるのでしょうか。
「オカルト×科学」が好きなら買いです。

プロローグを読んだ時には複雑な会話の中、これから始まる面倒くさい物語（誉め言葉）にワクワクしていた。

ところが♀犬2匹が出てきたところから既に調子がおかしくなり、百鬼丸だか夜天光だか知らない奴らが出てきてからもう鱗の回想シーンまで
「どうしてこうなった」
としか思えない展開に。

『プロローグや鱗の回想シーンだけ小林先生によるもので、あとはゴーストライターが書いたんじゃない？そういえば先生の原点になった”玩具修理者”は奥さんの代わりに書いたものだというし、もしかしたら奥さんが言い回しを真似て書いたものかも？それとも弟子か何かを養成してるのかな？あぁそうか、このラノベ調の表紙はそれを暗に示唆しているのかもしれないな、そうだきっとそうに違いない』
と妄想せざるを得ない酷さでした。

皆が小林先生を好きなのはわかります。僕だって大好きです。
でもこれは酷い。帯を見るとどうやらシリーズ化するようですが、それにしても１巻区切りにするならもう少し纏まってもいいんじゃないのかと。明らかにどうでもいいシーンで描写を掘り下げすぎですし、無理矢理スケールを大きくしているだけで設定がチャチすぎます。

100巻を想定した低年齢向けのストーリーならこのまったり・進捗・描写でもいいのかもしれませんが、あの小林泰三先生が書いた作品とは到底思えません。実は小林先生は某国に拉致されているんですかね！？

酷いところはいくらでも上げられますが、いいところがあまり見当たりません。表紙も酷いし。
続刊？まぁ買いますけどね！

　小林泰三作品を読んできた読者であれば一目瞭然、『αΩ』や『ネフィリム』の系に属する超絶戦闘を描いた活劇である。しかも、本作のそれは相当に「ライト」でもある。なにせ、今回の戦闘の領域は超能力。作品中でも科学的に説明できない現象であるとされているし、それどころか魔術の存在さえ示唆されている。
　となれば、小林作品を貫いてきた科学性という魅力は、減退せざるをえないはずだ。
　にもかかわらずこの作品は、従来の諸作品と比べてもかなり挑戦的で、期待感の高い作品であるといえる。なぜか。
　理由は２つある。１つめは、先に書いたように、超能力（ないし魔術）なる現象を取り扱っていることである。科学的に説明不可能な現象に対して――しかもそれが顕現したときに――、現代科学はどのように向き合っていくのか。実は、現代科学の胆はよく分からないもの、不確実なものに対する対処にこそある（科学的にそのまま取り扱い可能なものであれば、近代科学の単なる延長・蓄積で済む）。科学に裏打ちされた作者の筆致は、いつもながら（よく読めば読むほど）巧妙である。
　もう１つの理由は、この「登場編」最大のオチになるので、残念ながら書くわけにはいかない。ただ、２０世紀の科学が生み出した或る「迷信」にかかわるとだけ、その意義を指摘しておこう。

　…などとややこしいことを書かなくとも、本作は、活劇を素直に味わうだけで充分に楽しめる作品である。
　――「俺は英雄になると決めたんだ」。
　主人公ヴォルフのこの言葉は、読み返すほどに実に重い。超能力と圧倒的な組織力・資金力で迫る敵に対して、超能力を発揮しない彼の武器は、科学と常識と情報力、そして卓越した使命感だけでしかない。しかも或る理由から、彼の行動は大きく制約されてさえいる。
　ＭＥＳＳＩＡＨに敵対する「組織」とは何か？　ヴォルフの「仲間」とは何か？　グリゴリや葵の正体は何で、ヴォルフは彼らに勝てるのか？　そして、ヴォルフは果たして「英雄」になれるのか！？
　続編が待ち遠しい、壮大な物語の開幕である。期待もこめて、☆は５つとさせていただいた。