インターネットデパート - 取扱い商品数1000万点以上の通販サイト。送料無料商品も多数あります。

セピア色の凄惨 (光文社文庫)

価格: ¥500
カテゴリ: 文庫
ブランド: 光文社
Amazon.co.jpで確認
「英雄」が秀逸 ★★★★☆
連作短編集との事でしたが、本筋の結末より個々の短編が光っています。氏の名作「兆」などに比べると若干のパワーダウンは否めませんが、氏ならではのホラーは氏の小説でしか味わえません。

「英雄」の容赦なき迄の描写に痺れました。


不快。しかしそれは… ★★★★☆
正直、読んで楽しむ本ではない。酷い物語ばかりで、読むほどに不快感でいっぱいになる。
悪意もなく、無自覚のままに他者を不幸にするおぞましい人々の話なのだ。
とくに『ものぐさ』と『安心』の二篇はあまりの不愉快さに私は怒りすら覚えた。こんなのを書く著者の人格はとんでもなく歪んでいて、もはや矯正不可なんだとさえ思った。

しかし、読み終えて、怒りが鎮まってから思ったのは、描かれていた感情の一つひとつはごくありふれたものばかりだったという事。面倒くさい、とか、心配だ、とか。
この著者にかかると、そんな路傍の石ころのような感情が、目を背けずにはいられない異形の彫像に姿を変えてしまう。

そしてその形は…実は、私自身によく似ているのではないか。
そう気づいたとき、私は戦慄した。

小林色の眩惑 ★★★★☆
「待つ人」「ものぐさ」「不安」「英雄」の4作の合間に探偵と依頼人の会話が挿入されて出来ている連作集。

相変わらずの"当てて擦る"振りで、最初から最後までどこか噛み合わないままの極論の応酬にゲンナリするために読んでいるよう。もはやそれを楽しむために読んでいる感じだ。それにホラーというよりはグロテスクといった方がいいと思う。

しかし、最後の数ページ、小林氏のある長編推理小説を思い浮かべてしまった。気のせい?
四枚の写真と記憶喪失の女性 ★★★★☆
文庫書き下ろし作品

記憶の不安定な女性
彼女は4枚の写真を元に親友の捜索を探偵に依頼
写真にまつわる4編のグロテスクなエピソードと調査報告

「待つ女」
手違いによる、運命の人とのすれ違い
グロテスクな純愛

「ものぐさ」
価値観のづれによる大切な人の死

「安心」
異常な心配性が引き起こす惨劇

「英雄」
異常な伝統的男の浪漫

「忌憶」という作品に代表されるように、今回も人の記憶が鍵を握ります。
4つのエピソードを不安定な記憶が繋ぎます。
見事に、悪夢のような連作集に仕上がっています。

安心のクォリティー ★★★★☆
小林泰三氏の約1年ぶりの新刊は書下ろしです。

探偵は女性に親友を探して欲しいと依頼されます。
手がかりは4枚の写真のみ。
その親友を追う探偵は一緒に写る人々を訪ねます。

が、そこは小林氏ですからファンならおなじみと言うか、
既知外の人々が登場します。
グロテスクな描写もいつも通り健在です。

あなたには運命の人がいると強く思いますか?
めんどくさくて大切な事を後回しにしてませんか?
心配性で家を出た後ガスの元栓を何度も確認してませんか?
男のロマンとか言って無謀な事をしていませんか?

そんな些細な事から我が身の破滅を招く既知外へと、
自らの常識が覆され眩暈を覚えるような世界へと引きずり込まれます。

ファンならオススメ!
初見さんは他の作品を呼んでファンになってから、
の作品です。