洞察ある分析
★★★★★
主として破綻した中堅保険に焦点を当てているが、ここでの分析の視点は現在市場に存在プレーヤーにも適応可能であり、参考になる所が多かった。
著者の職業経験に裏打ちされた定量的な分析、保険全体の業界歴史もよくまとまっているが、この書籍で一番興味深いのは、破綻先企業へのインタビューの分析の部分である。
これまで外部環境が理由として語られる所が多かった破綻について、実は内部要因が大きなウェートを占めていたことを、一つ一つのコメントからの論理の積み上げや生存した中堅生保との比較により鮮明に炙り出している。
この書籍を読むと、同様の枠組みで現状のプレーヤーも分析可能であり、今後の各社動向を考える上でも示唆に富む内容となっている。
出口 治明の「生命保険入門」とこの本、生命保険業界を知る上で必須ではなかろうか