巴里華撃団のシチュエーションが真に巴里らしいか、という論議はあろうが(それでもあの「レボルバーカノン」の雄姿を本当のパリ市民に見せてみたい、と強く感じるのは私だけであろうか)、しかし前作に共通する、粘着質の「暗い重さ」がなく、さっぱりとした味付けになっているのは実に小気味よい。田中公平の音楽はここでもさらに冴え、前作に劣るどころか凌がんばかりの切れ味を見せる。メインテーマ「御旗のもとに」は、音楽技法の上でも「檄帝」を凌ぎ、目くるめく転調が実に「心地よいぞ(グリシーヌふう)」。
そして愛すべき巴里華撃団の各キャラクターの描き分けは、帝撃のそれよりも徹底していてなおかつ透明度が高く、明快である。声優の起用と仕事ぶりも特筆もの。
最大の難点は、メインキャラのエリカが、さくらの発展系であることはわかるとしても少々「いきすぎ」であること、そして最後の戦闘があまりにも長く退屈である、ということだろう。
しかしこれらの問題は、「サクラ大戦4」の出現によって払拭、あるいは弁証法的に昇華され、そこでは開発者自ら「グランドフィナーレ」と呼ぶにふさわしい大団円を体験することができるが、「3」はそれを導くという意味でも、日本ゲーム史上にあきらかに「1」・「2」以上に輝く名作である。
キャラクター、ストーリーなどすべてが超魅力的!
さあ、是非君もはまってみよう!