少林寺気功を解説した本です。少林寺は禅宗の寺であり、長時間座禅を行っている禅僧たちが運動不足と血行不良を改善させるために気功を行ってきたそうです。特に、少林寺で有名な武術と組み合わせて独自の発展を遂げてきたのが少林寺気功です。
少林寺気功はずっと門外不出とされてきましたが、第３４代最高師範である著者が日本に紹介しようと思い、本書やその他の少林寺気功の本を著したそうです。

本書は少林寺気功や気のこと、少林寺気功を日本に伝えたいという著者の想いなどが最初に綴られています。最後に少林寺気功の練習について書いてあります。基本となる四段功、首や肩をリラックスさせるための運動、座禅を組んで行う少林寺一歩座禅功、日々の健康増進と養生のための養生六式、現在の気功や太極拳で行われている八段錦の起源に近い形の少林寺八段錦が紹介されています。本の中では動作の詳しい解説よりも、動きを行う際のイメージを多く書いています。付属のDVDを見ることで動作がよく分かります。DVDの中で動きについて説明されています。少林寺気功健康法―中国武術の総本山少林寺が伝える秘法を最初に買って練習していたのですが、本書のDVDを見て、動作のスピードや間の取り方などがよく分かりました。タイトルに実践版とあるように、DVDを見ながら練習できるのが良いです。ただ、少林寺八段錦は著者ではなく、少林寺の門下生かと思われる方が演舞しており、著者よりも劣っているのが明らかです。その点が不満でした。