王の息子と魔女の王女の誤算そして流れ星の恋
★★★★☆
ここはありのままの国、壁の向こうは妖精の国
男は魔女の奴隷女と一夜をともにした。
やがて壁の向こうから男の赤ちゃんが届けられた。
本書主人公トリストラン誕生。
(魔女の奴隷女の息子っていうことが最後の作者の決め手なんです)
やがて若者となったトリストランは村一番のきれいな娘に愛を告白する。
「キスしてくれ」・・・「だめなら結婚してくれ」
その時、空から流れ星が壁の向こうの妖精の国に落ちた。
村一番のきれいな娘はトリストランに答えた
「あの流れ星を持ってきてくれたら、貴方の言うとおり何でもするわ」
「ほんと?」
「ほんとうよ」
こうしてトリストランの愛の妖精の国の冒険が始まった。
妖精の国で何とか流れ星をトリストランは見つける。
その流れ星は娘であった。
この流れ星の娘を狙う者達を軸にお話しは進む。
流れ星の娘を狙う者達
1.トリストラン・・・村一番の娘との結婚のために。
2.妖精の国の王の息子達・・・王の遺言で星の娘が持つ石を手にするものが次の王となる。
3.年老いた魔女の王女・・・星の娘の心臓を食らうと若返れる。
トリストランは王の息子や魔女の王女を相手に村一番の娘と結婚できるのだろうか。
本書は中ほどまで★4つ、以降★3つでしたが最後にできすぎの
私好みのハッピーエンドで★4つといたしました。
ま〜映画見たくなるほどじゃありませんが。
あとがきで訳者:金原さんがゲイマン度を低くおっしゃられてますが、いやいやどうして
トリストランや星の娘の会話などは十分デイマン節です。
トリストランと星の娘の優しさ、温かみが感じられた作品でした。
金原さんがおしゃられる超ど級作品とは次の『アメリカン・ゴッズ』でしょうか?
期待してます。
映画とは別物
★★★☆☆
映画がとても良かったので、訳者もチョコレート・アンダーグラウンドの方と知り購入しました。世界観や人物設定は深いと思いますが、映画とは全然違います。映画は子供向きで、小説は完訳グリム童話のようなダークさ。話の流れも静かで描写も大人向きです。(でも、主人公のお父さんの話には驚きます!…あくまで小説版として、ですが)
読みおわったら、ますますDVD発売が待ち遠しくなりました。
妖精の国の冒険
★★★☆☆
ウォール村と壁の穴を通して接する妖精の国を巡るお話です。
人間の父親と妖精の母親の間に生まれたトリストランが主人公です。彼が好きになった女性の一言で、スターダストを探すために妖精の国を彷徨う旅に出て、そこで出くわす様々な不思議な出来事を描いて行きます。
その行程は非常な困難が予想されるのですが、意外に簡単に越えて行きます。このあたりが物足りなさを感じてしまいますが、児童書と考えればこれでもいいのかなと感じますが、余りにあっけない展開に、その設定の面白さがあるだけに、ちょっと残念でした。