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第11巻 巨龍の胎動(毛沢東VS鄧小平) (中国の歴史 全12巻)

価格: ¥2,730
カテゴリ: 単行本
ブランド: 講談社
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現代中国、課題と希望 ★★★★☆
 講談社による中国史新シリーズの第11巻です。1920年代から現代までを対象に、共和国の成立、大躍進・文革による大混乱、改革開放政策の光と陰、そして第四世代指導部の成立など、中国現代激動の歩みを手
際よくフォローしています。気が付いたのは以下の点です。
 (1) 副題が示唆するとおり、毛沢東や鄧小平の言動に注目しながら論をすすめています。但し、彼らの評伝の類ではなく、毛による政治重視の人民統治と鄧によるプラグマチックな政権運営とを対比することにより、11期3中全会以降のパラダイム転換を浮き彫りにしようとするものです。
 (2) 単に現代史の歩みを振り返るのみならず、中国が直面する今日的課題を整理し、この国が進むべき方向性を考えようとしています。そして著者は、「成長優先」「エリート主義政治」「従来型の台湾統一方式」「愛国主義・大国主義」の4分野での「脱鄧小平」の実現こそが、今後の中国発展のカギになると主張しています。
 (3) 著者は、本書執筆の過程で「いつの間にか中国人読者を意識しながら執筆している自分」に気付いたと述べています。この言葉が示唆するとおり、特に中国の今後に関する部分は、メッセージ性が高い内容となっています。
 さて、ご自分でも述べているとおり、現代中国や日中関係に対する著者のアプローチには如何にも楽観的と言わざるを得ないものがあります。しかしながら、そうしたアプローチの背景には、中国そのものや日中間の相互理解といったものに対する著者の強い想いと希望が籠められており、読んでいて小気味良いものを感じました。特に末尾の部分などは、歴史の本には珍しく、爽やかで感動的ですらありました。
「歴史書」としては…… ★★★☆☆
著者の熱意は買うが、全体的に「生煮え」の感がある。新たな視点を提供しようという著者の意図は伝わるものの、それに引きずられるあまり歴史全体の広がりやスケール感といったものが乏しく、「歴史書」を読む面白さに欠ける。

思うにこれはこの本の欠陥というよりも、「歴史書」シリーズの一冊としてこのテーマ設定をしたことの違和感ではないかと思う。その意味で決してレベルの低い本ではない。

歴史書と論文は役割が違う。私感だが、歴史書を読む楽しさとは小説を読むのに似ている。大きな時間の流れの中で個性豊かな人物たちがそれぞれの役回りを演じながら、「時代」が動いていく。「歴史」である以上、フィクションではないが、物語としての面白さが期待されるのが歴史書だと思う。

それに対して「論文」は新しさがなければならない。面白さや文章のうまさ、ストーリーの流れよりは「論理性」や「正確性」が重要になる。その点、この本はどちらかといえば「論文」に近い。本文のあちこちに引用元の出典の注釈が入り、巻末に参考文献が膨大に並んでいるのがその証左である。歴史書なんてつまるところ過去の人々の著作をもとに書くものだから、引用元を注釈しだしたらキリがないのでは?

「毛沢東VS鄧小平」という仮説設定も、学者にとっては興味深いのかもしれないが、私のような読者にとっては毛沢東と鄧小平が違うことを考えていた人だというのは当たり前でしょ、という感じが強く、改めて強調するようなことかという気がする。

とはいえ数ある中国関連書籍の中では非常に真摯な姿勢、丁寧な論証、良心的なつくりになっていることは間違いない。「中国の歴史」シリーズの一冊としてではなく、現代中国を理解するための基本的な論文として読めば極めて価値のある一冊だと思う。

ビビッドな中国現代史 ★★★★☆
 毛沢東と鄧小平に軸を置いて中国現代史に迫る。
 約一世紀の激動の中国史、具体的には清末から辛亥革命、中華民国、日中戦争、共産革命、そして近年の経済成長である。
 やや新奇な視点から、膨大な資料や著者自身の中国での教授体験などを生かし、現代中国史像を展開し、我われ日本人との関わり方について述べる。
大学生にお勧め ★★★★★
~中国研究、主に現代中国を勉強する人の必読になるでしょう。
ここまでわかりやすく書かれたものは読んだことがありません。
全く中国のことを知らなかった私でも十分中国に興味を持つことができました。
著者のこれ以外の本もぜひ今後読みたいと思える一冊です。
中国に興味のある人にはぜひお勧めです。
値段の安さにも学生にとってありがたい限りです~~。~
中国旅行の前にぜひ一読を ★★★★☆
1920年代から現在までを、タイトルのとおり、毛沢東と鄧小平の足跡を辿りながら
描き出していく力作です。(VSと言う表現が適当とは思いませんが、、、)

20世紀史の中でも最も毀誉褒貶の激しい人物の一人であると思われる毛沢東、
「不倒翁」としては知られていても常にその人となりについては霞がかった存在であった鄧小平、
この二人の性格から、政策決定の背景に至るまでを、豊富な資料で裏付をしながら、
一片に偏ることなく書き進めていくことによって、中国共産党の成立から
中華人民共和国の建国、混乱そして現在の成長に至るまでを、鮮やかに描き出すことに、
著者は成功している、と感じております。

ただし、上記二人に焦点を絞ることにより、当然ながらその他の登場人物についてはあまり言及が為されず、
また、中華人民共和国建国に至る時代背景や、なぜ農村部住民が毛沢東を支持するに至ったかなどの
説明が不足している面は否めません。
本書に教科書的な役割を期待している方には不向きでしょう。

しかし、中国の「現在」の背景を知り、今後どのように変貌を遂げていくのかを知る、
この本によってその思考の土台を築くことが出来るのではないでしょうか。
中国史に興味のある方のみならず、ビジネスの場としての中国を知りたい方、
また観光に行かれる方も、この本を予め読んでおくことで、
より大きな収穫が期待できるのではないかと思います。
私自身、上海訪問中にこの本を読み終え、さらなる感慨を覚えました。

「中国の歴史」シリーズの中の一冊として出版されていますが、
著者がそれぞれ異なることもあり、この巻だけを購入しても
読み進めていく上での問題はありません。